質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第六八号

放射性廃棄物に係る中間貯蔵施設の設置及び福島県外での最終処分の法制化に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年三月十九日

岩城 光英   


       参議院議長 平田 健二 殿



   放射性廃棄物に係る中間貯蔵施設の設置及び福島県外での最終処分の法制化に関する質問主意書

 政府は、三月十日、福島県郡山市にて開催した福島県及び双葉郡八町村との意見交換会において、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の漏えいによって汚染された廃棄物や土壌の処理に必要な中間貯蔵施設を双葉郡内に三か所設置するとの新たな提案を行った。
 政府は、昨年十月、中間貯蔵施設の整備に係るロードマップ(「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質による環境汚染の対処において必要な中間貯蔵施設等の基本的考え方について」)を発表しているが、ここでは福島県内に一か所設置するという考え方が示されていた。また、昨年末においても、福島県及び双葉郡八町村に対し、同様のことを明言したとされている。今回の三か所設置という新たな提案は、これまでの考え方を短期間で大きく転換させたことを意味する。
 東日本大震災発生後、既に一年が経過し、いまだ避難生活を余儀なくされている住民は、福島県への帰還の見通しが立たない状況に疲弊している。こうした中で、三十年もの負担を強いる中間貯蔵施設の考え方を転換させた野田内閣の責任は非常に重いものである。しかも、その一方で、政府は福島県外での最終処分については、これを法律に明記するとの考えも示したとされている。
 沖縄県普天間基地移設問題における「最低でも県外移設」との発言から今日に至る状況を鑑みれば、地元に期待だけを持たせることはあってはならない。そこで、意見交換会において示された政府の提案や考え方を確認するべく、以下質問する。

一 今回、中間貯蔵施設の設置数について、前記のロードマップで示されている一か所から三か所へと変更した理由は何か。また、これら三か所の立地場所を双葉町、大熊町及び楢葉町とした理由は何か、それぞれ具体的な根拠を示して説明されたい。
 また、この提案は、これら三町がそろって受け入れることを前提としているのか、併せて説明されたい。

二 三か所それぞれに設置する中間貯蔵施設の保管対象、保管容量、貯蔵・管理方法等は、ロードマップにおいて示されていたものと同じか。また、設置までの工程も同じか、それぞれ説明されたい。

三 前記の意見交換会において、三か所の中間貯蔵施設の設置と併せて、富岡町の管理型最終処分場へ焼却灰を埋め立てることも新たに提案したとのことであるが、なぜ中間貯蔵施設設置の候補地とされた双葉町などとは別の富岡町としたのか、その理由を説明されたい。
 このほか、焼却施設など、中間貯蔵施設の設置に伴い政府が必要と考えている施設があれば、立地を見込んでいる場所も含め、明らかにされたい。

四 中間貯蔵施設の稼働後三十年以内に福島県外において最終処分することを法制化すると政府が表明したことについて、事実関係を示されたい。
 また、前記のロードマップによれば、中間貯蔵施設の立地場所の選定は平成二十四年度内に行うこととされており、これを踏まえれば、法制化は早急に行われる必要があると推察されるが、政府は法制化の時期をいつと考えているのか、併せて説明されたい。

  右質問する。