質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第六一号

東日本大震災一周年追悼式に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年三月十三日

大江 康弘   


       参議院議長 平田 健二 殿



   東日本大震災一周年追悼式に関する質問主意書

 平成二十四年三月十一日の政府主催の東日本大震災一周年追悼式には、退院間もなくお身体の具合も万全ではないとのご様子も伝わる中、天皇陛下が強い想いで皇后陛下と共にご出席をされ、被災地の皆さんを勇気づけられたことは、出席をした国民の一人として深い感銘を受けた。
 同時に、当日の式典には、この一年間、震災後から復旧、復興に向けて進んでいく中で、力強く応援していただいた世界各国の駐日大使をはじめ国際関係機関の代表の方々も多く出席をされていた。
 ただ、私は式典中、大変不思議に思った一件があり、式典後、私が見たことに間違いがあってはいけないと考え、事実を確認したところ、その一件に大変憤りを覚えた。それは、今回の式典における中華民国(台湾)に対する政府の対応である。
 日本は不幸にも今から四十年前、時の政権であった田中角栄内閣が一方的に中華民国(台湾)との外交関係を終了し、中華人民共和国との国交を優先させた。
 以来四十年、日本と中華民国(台湾)とは正式な外交関係こそ確立してはいなかったが、この日・台間の繋がりを大切だと認識される先人、先輩の皆さんの努力の積み重ねで、どの国家との関係よりも深い絆で結ばれてきたと認識している。
 同時に、今の中華民国(台湾)の皆さんが、最も信頼し好きな国は第一に日本であるということを聞かされる度に、感謝の気持ちで一杯である。
 そのような中華民国(台湾)には昨年の大震災後、約二百億余円の義援金や人的支援をいただき、日本国民はその事実に対し、大いに感謝をしてきたところである。
 しかし、今回、政府は本追悼式を挙行するにあたり、中華民国(台湾)に対して出席案内はしたものの、その対応は全く不誠実であったとしか言いようがない。
 三月十二日の参議院予算委員会において、自民党・世耕弘成議員がこの問題に対して二点質問を行った。答弁に立った藤村修官房長官は、この事実を全く把握しておらず、政府として無責任な答弁に終始したことは、本当に情けない限りである。
 そこで、以下、本追悼式における政府の中華民国(台湾)への対応について厳しく指摘し、その事実関係等を質したい。

一 本追悼式の開催に際し、政府は中華民国(台湾)に対しては、どのような宛名で案内状を出したのか、また、その宛先はどこか明らかにされたい。

二 中華民国(台湾)代表の会場での着席場所は何処だったのか。また、何故、そのような場所になったのか。

三 献花の際には何故、名前を呼んでの指名献花でなかったのか。中国政府に気兼ねをして名前が呼べなかったのか。せめて、案内状の宛名で、指名献花をしていただくことが応援をしてくれた中華民国(台湾)に対する誠意ではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。

四 本追悼式の目的は、大震災から一年を迎え、心温まる応援、支援をしていただいた世界各国の人々に感謝と御礼を申し上げるとともに、国民が心を一つにして復旧・復興に向けて頑張っていくという誓いを立てることであると認識するが、この式典には政治的な思惑があったのか、政府の見解を示されたい。また、何故、中華民国(台湾)がこのような酷い扱いを受けなければならなかったのか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。