質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第四六号

原発事故担当相による東京電力福島原子力発電所事故調査委員会との接触に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年三月一日

岩井 茂樹   


       参議院議長 平田 健二 殿



   原発事故担当相による東京電力福島原子力発電所事故調査委員会との接触に関する質問主意書

 平成二十四年二月二十四日付けの新聞報道によると、「細野豪志原発事故担当相が二十日、東日本大震災の東京電力福島第一原発事故を受けた国会原発事故調査委員会の黒川清委員長に「原子力規制庁設置法案の説明」と称して接触していたことが二十三日、分かった。」とのことである。
 東京電力福島原子力発電所事故調査委員会は、国会による原子力に関する行政の監視に関する機能の充実強化に資するため、国会に設置された機関である。
 にもかかわらず、原発事故発生後、首相補佐官として事故収拾に当たったことから、同委員会の調査対象者の一人となっており、かつ、現在も原発事故担当相として行政の一員である細野氏が、同委員会に接触を図ることは、同委員会の独立性・中立性を脅かす行為であり、重大な問題と考える。
 そこで、以下、質問する。

一 原発事故担当相が黒川委員長と接触したのは、二月二十日の何時から何時までであったか示されたい。

二 この件に関して、二月二十四日の参議院本会議において、野田佳彦首相は自由民主党の伊達忠一議員の質問に対して、「細野大臣と黒川委員長を始め国会事故調の皆さんとの接触について(中略)原子力組織制度改革法案の内容と趣旨を説明したものと聞いて」いると答弁している。
 原発事故担当相が、黒川委員長以外に、原子力組織制度改革法案の内容と趣旨を説明した人物がいるか、具体的に示されたい。

三 前記二の答弁において、野田首相は「事故調の独立性に影響を及ぼす趣旨や内容ではなかったものと認識をしております。」とも述べている。
 しかし、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会法第六条では、「公正な職務の執行に対する国民の疑惑又は不信を招くおそれ」との文言があり、同条の保護法益には、「公正な職務の執行」という客観的要素だけでなく、「公正な職務の執行に対する国民の」信頼という主観的要素も含まれることは明らかである。
 今回の原発事故担当相の行動は、「公正な職務の執行に対する国民の」信頼を損なうものと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。