質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第二九号

国有林における雪崩対策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年二月十六日

横山 信一   


       参議院議長 平田 健二 殿



   国有林における雪崩対策に関する質問主意書

 平成二十四年二月一日、秋田県玉川温泉で三名の死者を出す雪崩が発生した。雪崩はいつどこで起こるか予測が困難な災害であり、温泉のような多くの人が集まる施設に対しては十分な対策を行う必要がある。玉川温泉は国有林にあり、平成十九年、林野庁が社団法人玉川温泉研究会に対し、国有財産法に基づき国有林の使用を許可しているが、その後特段の雪崩対策は採られず、今回の惨事となってしまった。国有林にある温泉施設が雪崩災害にあった例としては、平成十八年に一名の死者を出した秋田県乳頭温泉の例もあり、同様の災害を繰り返さない観点から、以下、質問する。

一 国有林の使用許可に当たっては、使用者に対して、どのような義務が課されるのか。国有林にある施設を第三者の利用に供する場合の安全確保義務、災害防除及び応急対策義務等が課されると思うが、その具体的内容を示されたい。

二 社団法人玉川温泉研究会に課されている義務には、雪崩災害への対応も対象となっているか明らかにされたい。

三 社団法人玉川温泉研究会が雪崩災害への対応義務を履行していなければ、林野庁は義務を履行するよう指導、監督しなければならないと思うが、政府の見解如何。

四 国有林において林野庁が講ずる雪崩対策については、どのような基準の下に行われるのか。雪崩は予測困難な災害であり、地域からの要請の有無を過度に重視するようであれば、十分な対策を講じることはできないが、具体的な実施基準を示されたい。

五 平成十八年の乳頭温泉での雪崩災害では、事故後、林野庁により雪崩防護柵が設置されたが、玉川温泉については同様の対策を採る考えがあるのか、政府の見解を明らかにされたい。

六 今回の玉川温泉の事例を踏まえ、政府は国有林での雪崩災害を防止するために、どのような対策を採っていくのか示されたい。そのためには、国有林にある温泉施設の数と、その中で現在雪崩対策が実施されている温泉施設の数の把握が不可欠であるが、それらの数を併せて明らかにされたい。

七 温泉施設のほかに多数の人が集まる施設としては学校、社会福祉施設があるが、同様に国有林にある当該施設の数と、その中で現在雪崩対策が実施されている施設の数を示されたい。

  右質問する。