質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第二一号

「密約」問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年二月十日

糸数 慶子   


       参議院議長 平田 健二 殿



   「密約」問題に関する質問主意書

 平成二十四年二月七日の参議院予算委員会において、岡田克也国務大臣は、沖縄返還を巡る外務省機密漏洩事件で有罪となった西山太吉元新聞記者に対して「この大きな国家の密約の中で犠牲になられた方の一人ですから、西山さんの今までの御努力、御苦労に対しては本当に申し訳ない」と答弁した。また、岡田国務大臣は、密約の存在について、「この国会の場でも否定してきたということは、私は本当は許し難いことだと思っているんです。」、「深刻に反省すべき」、「開き直りは許されない」と答弁した。
 そこで、以下質問する。

一 この岡田国務大臣の答弁は、政府のいかなる行為に対する謝罪を意味するのか。沖縄返還当時の政府が国会で虚偽答弁を繰り返したことについてか、土地の原状回復補償費四百万ドルを日本が肩代わりする密約を裏付ける米公文書が発見された二〇〇〇年以降も「密約はない」としていた政府の虚偽答弁についてか、あるいはその両者に対する謝罪なのか。それを明らかにした上で、政府として公式に謝罪し、西山氏に対して名誉回復の措置をとるべきではないか。

二 いわゆる「密約」問題に関しては、当時の岡田外務大臣の下で調査が行われ、いわゆる「密約」問題に関する有識者委員会報告書(平成二十二年三月)が提出されている。その中で、同委員会は、四百万ドルの財政密約について「広義の密約」との見解を示しているが、政府としての見解は不明確なままである。しかし、前記の「西山氏は密約による犠牲者」という岡田国務大臣の発言によれば、密約はあったと認めていることになる。政府の公式見解を示されたい。

  右質問する。