質問主意書

第180回国会(常会)

質問主意書


質問第二〇号

放射性物質の拡散対策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年二月九日

川田 龍平   


       参議院議長 平田 健二 殿



   放射性物質の拡散対策に関する質問主意書

 放射性物質の拡散対策に関して、以下質問する。

一 二月中旬からの関東地方におけるスギ花粉の飛散を前にして、当該スギ花粉に東京電力福島第一原発事故由来のセシウムが付着又は含有されて飛散し、健康に影響を及ぼす懸念があるが、政府はこの点についてどのように考えているか。根拠となる科学的データ又は知見とともに、政府の見解を示されたい。また、今春のスギ花粉の飛散とセシウムの付着等に伴う健康影響につき、政府が予定する検証及びその公開時期を示されたい。

二 東日本大震災の被災地で発生した瓦礫の各地のごみ焼却場における受入後の焼却灰に関して、環境省は放射性セシウム濃度が一キログラム当たり八千ベクレル以下の焼却灰については、一般廃棄物最終処分場に埋立処分することに問題は生じないとの見解をとるようである。しかし、そもそも従来の放射性廃棄物に係るクリアランスレベルは一キログラム当たり百ベクレルであり、これだけの格差が生じることに対して国民の多くは疑問や懸念を持っている。そこで、今回の放射性セシウム濃度が一キログラム当たり八千ベクレル以下の焼却灰の埋立処分を認めることについて、その安全性はどのような科学的データに基づき判断されたのかを具体的に示されたい。また、従来の一キログラム当たり百ベクレルというクリアランスレベルは、今後どのように扱われることになるのか示されたい。さらに、当該埋立処分後の安全性は、定期的に追跡調査され、その結果が公表されるべきと思料するが、今後の予定等を含めた政府の方針を示されたい。

三 被災地で発生した瓦礫の焼却について、多くの焼却炉では焼却温度八百度以上で焼却するようであるが、セシウムの気化温度は六百五十度近辺であるため、セシウムの多くは炉内で気化すると思料する。バグフィルター自体には気体を捕集する機能を期待できないと思われるが、気化したセシウムの外部への放出を、政府はどのように予防するのか、見解を示されたい。

  右質問する。