質問主意書

第179回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第八号

内閣参質一七九第八号
  平成二十三年十一月十一日
内閣総理大臣 野田 佳彦   
       参議院副議長 尾辻 秀久 殿

参議院議員福島みずほ君提出食品衛生法上の放射能に関する暫定規制値に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員福島みずほ君提出食品衛生法上の放射能に関する暫定規制値に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 「環境放射線モニタリング指針」(平成二十年三月原子力安全委員会決定)は、緊急時モニタリングにおいて、「周辺住民等の実際の線量の評価については、モニタリングの結果に基づき、外部被ばく及び内部被ばくによる実効線量を算定し、高線量が予想されるときには、これらに加え内部被ばくによる等価線量を、周辺住民等の行動を考慮し、平常時モニタリングの手法にしたがって算定する」と定めており、周辺住民の被ばく線量の評価を行う際には、御指摘の飲食物の摂取に伴う内部被ばくについても考慮するものとしている。
 「今後の避難解除、復興に向けた放射線防護に関する基本的な考え方について」(平成二十三年七月十九日原子力安全委員会決定)も、「現存被ばく状況にある・・・ことについての判断の「めやす」を設定するに当たっては、予想される全被ばく経路(地表面沈着からの外部被ばく、再浮遊物質の吸入摂取による内部被ばく、飲食物等の経口摂取による内部被ばく等)からの被ばくを総合的に考慮しなければならない。」と定めており、御指摘の飲食物の摂取に伴う内部被ばくについても考慮するものとしている。
 お尋ねの「反映」の意味が必ずしも明らかではないが、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会は、周辺住民のみを対象にした推計ではないものの、同省が集約し、公表した飲食物中の放射性物質濃度の測定データを用いて、内部被ばくの重要な経路である飲食物の摂取に伴う実際の被ばく線量を推計し、これが相当程度小さいものにとどまると評価しており、原子力災害対策本部は、住民への説明会等において、その旨説明しているところである。
 なお、御指摘の「校庭等の空間線量率三・八マイクロシーベルト毎時の学校の児童生徒等の生活パターンから推定される児童生徒等が受ける実際の積算線量の試算について」は、再浮遊物質の吸入や飲食物の摂取に伴う内部被ばくを評価し、その影響が相当程度小さいものにとどまることを考慮した上で、児童生徒等の生活パターンを踏まえて外部被ばくについての試算を行ったものである。

三について

 一及び二についてで述べた各決定のほか、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)等の原子力関連の法令等に基づき、所管府省において外部被ばく及び内部被ばくの双方についての規制等が行われている。