第179回国会(臨時会)
質問第五二号 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムの運用に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十三年十二月八日 福島 みずほ
参議院議長 平田 健二 殿 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステムの運用に関する質問主意書 緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(以下「SPEEDI」という。)は、万一の原子力発電所の事故に伴う放射能汚染の広がりをいち早く地域住民に知らせることで、被ばく被害を最小限度に抑えることが可能であり、その利用を効果的に活用することが重要である。また、事故を想定したシミュレーションも同様に有効な対処を想定することができる。 そこで、SPEEDIの運用などについて、以下質問する。 一 都道府県が行う避難訓練の際、事故の想定に応じた燃料燃焼度及び放出率の数値は、どの機関のどの部署が最終的に決めるのか。また、決定に際し関連する部署はどこか。その数値などを算出する根拠を含め、政府の承知するところを示されたい。 二 現在、文部科学省が運営する「環境防災Nネット」のウェブサイトで公表されているSPEEDIの試算図形は、どのような事故シナリオの下で試算されたのか示されたい。その際、放出源情報として使用された燃焼度、コア・インベントリ、核燃料の量及び放出フラクション(コア・インベントリの何パーセントか)の数値について、各原子力発電所の炉ごとに示されたい。 三 公表されている試算図形の燃焼度は約二十GWd/tHMとなっており、最高燃焼度五十五GWd/tHMよりはるかに小さいが、その理由は何か。また、試算図形の燃焼率はどのように導き出されたのか。さらに、現在の炉の実際の燃焼率に当てはめるにはどう比較すればよいか。 四 現行の五十四基ある発電用原子炉の実際の燃焼度、核燃料の量及びコア・インベントリの数値について、五十四基の発電用原子炉すべての炉ごとに示されたい。 五 SPEEDIの放出源情報は、ウランまたはMOXいずれの核燃料を対象としているのか。また、MOX燃料である場合、その核燃料要素の割合について、MOX燃料を使用している原子力発電所の炉ごとに示されたい。 六 東京電力福島第一原子力発電所の事故の際には、水素爆発が起こったこと、プラントデータが使用できなかったこと等により、SPEEDIは期待された役割を果たせなかった。この点に関して、政府は改善に向けた対策を取っているのか。同対策を取っている場合、いつまでにどのような解決を図る予定か明らかにされたい。また、同対策を取っていない場合、どのような理由で対策を取っていないのか、政府の見解を示されたい。 七 SPEEDIにおける一件当たりの試算に要する費用について、最小値、最大値及び平均値を示されたい。また、過去五年間のSPEEDIの年間試算費用を示されたい。 八 SPEEDIにおいてヨウ素、希ガス以外の核種についての試算はあるか。試算がある場合、その核種を示されたい。 右質問する。 |