質問主意書

第179回国会(臨時会)

質問主意書


質問第五〇号

阿武隈川河口周辺海域における放射性セシウムによる環境影響等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年十二月七日

熊谷 大   


       参議院議長 平田 健二 殿



   阿武隈川河口周辺海域における放射性セシウムによる環境影響等に関する質問主意書

 最近の報道によれば、東京電力福島第一原子力発電所の事故で、福島県と宮城県を流れる阿武隈川から海に流れ出た放射性セシウムは、今年八月には一日当たり五百億ベクレル余りに上ったと推定されることが、京都大学などの調査で判明したとされる。
 これによれば、福島第一原子力発電所から北に約七十キロメートル離れた阿武隈川河口(宮城県岩沼市)の周辺海域において、放射性セシウムによる環境への影響等が懸念されるところである。そこで、以下質問する。

一 京都大学などによる調査は、文部科学省の委託を受けて行われたものと聞いている。しかしながら、その調査結果については、同省からまだ公表されていないように思われるが、その概要について示されたい。

二 京都大学などの調査によると、阿武隈川河口から海に流れ出た放射性セシウムは一日当たり五百億ベクレル余りに上ると推定されているが、原子力発電所事故以降の累積量についてはどのように推定されているか。その上で、河口周辺海域における放射性セシウムによる環境への影響について、政府はどのように認識しているか。

三 阿武隈川には、陸地に降った放射性セシウム等が現在もなお流れ込んでいるものと考えられる。加えて、来年一月からは放射性物質汚染対処特措法に基づく除染が本格実施されることから、これに伴い川に洗い流される放射性セシウム等の量が増加することが想定される。したがって、放射性セシウム等の阿武隈川河口から海への流出挙動について監視を継続していく必要があると考えるが、監視体制はどのようになっているか。

  右質問する。