質問主意書

第179回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三九号

住宅セーフティネットの確立に向けた住宅政策の在り方に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年十一月二十九日

秋野 公造   


       参議院議長 平田 健二 殿



   住宅セーフティネットの確立に向けた住宅政策の在り方に関する質問主意書

 現下の厳しい経済状況の中、非正規雇用の拡大などにより自力での住宅確保が困難な状況にある方が増加し、住生活基本法の基本理念の一つである「居住の安定の確保」に向けた対策の強化が一段と強く望まれている。
 政権交代が行われてから二年が経過しているが、この間の景気対策は皆無に等しく、その上、震災や円高対策の無策に国民は苦しんでいる。
 公明党が提案し、かつ実現してきた住宅エコポイント制度についても、民主党政権は平成二十三年十二月までの予定を七月に止めてしまうとの愚挙を行った。予想を上回る需要は経済効果の現れであり、住宅対策と景気対策を兼ね備えた政策にブレーキをかけた責任は極めて重いと言わざるを得ない。
 また、改めて、国民の命を守るための住宅対策も、極めて進捗が遅いと言わざるを得ない。公的賃貸住宅の需給が逼迫する中で、民間住宅の空き家が増加している現状について、今後、国としてどのように対応するつもりなのか。現状を放置し続けるだけではなく、今後の方針を示さないことも極めて怠慢と指摘せざるを得ない。
 公明党は、平成二十二年度にストック活用型「住宅セーフティネット整備推進事業」を推進し、既存の住宅ストックの有効活用に国が直接補助することにより、住宅ストックの質の向上を図りつつ、住宅確保対策を強化した。さらに、「リフォーム住宅ポイント」を創設して、全国五十万の中小工務店を主眼に置いた景気対策と住宅の確保を円滑に行える仕組みを、統一地方選挙重点政策に盛り込み推進してきたところである。私自身も、平成二十三年三月二十五日の参議院厚生労働委員会及び六月八日の参議院災害対策特別委員会でこうした提案を行ってきたにもかかわらず、民主党政権の腰はいまだに重く何も決められない。現下の住宅市場の中で、生活基盤である住まいの充実に早急に取り組む観点から、重ねて、以下のとおり質問する。

一 円高や震災等の影響も受け、景気が悪化していることから、所得が減少し、生活保護世帯も増加している中で、公営住宅の応募倍率は上昇し続け、希望しても入居できない方が多数いる状況にあると考えるが、公営住宅の入居状況についてどのように認識しているのか、政府の見解を示されたい。

二 民間賃貸住宅には空き家があるものの、バリアフリーなど質の面では不十分な点がみられる。民間賃貸住宅の質の向上や活用について政府の見解を示されたい。また、民間賃貸住宅のセーフティネットへの活用について、平成二十四年度に予算要求していると聞いているが、民間賃貸住宅を活用した借上げ型公営住宅も地方公共団体の財政難で進まないことが危惧される。国がより主導的に取り組み、その進捗を加速させるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

三 財政的及び経済効率的観点からも、現在の住宅ストックを十分に活用し、個々人が安心して暮らし続けることができるような施策を速やかに実施する必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。