質問主意書

第179回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三八号

心の傷病者に係る雇用保険の受給手続の改善に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年十一月二十五日

浜田 昌良   


       参議院議長 平田 健二 殿



   心の傷病者に係る雇用保険の受給手続の改善に関する質問主意書

 雇用保険制度について、離職後、ハローワークにて求職の申込みを行い受給資格認定の申請を行った際に、心の病を理由に労働の能力を有すると認められず、結果として、傷病手当の受給ができなかったという手続面に関する苦情・相談を受けた。
 労働者がうつ病などにより、健康保険における傷病手当金を受給する場合が増えているが、本制度の受給期間が一年半を限度としていることから、その打切り・離職後、雇用保険の傷病手当の受給を求める声が増えている。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 離職後、ハローワークにて受給資格認定の申請を行った際に、心の病を理由に労働の能力を有すると認められなかったケースについて、その件数及び受給資格認定の申請件数全体に占める比率を全国合計、都道府県労働局及びハローワーク別に把握している範囲でそれぞれ示されたい。これらを把握していない場合、サンプル調査を実施し、こうした状況を把握すべきと考えるが、野田内閣の見解を明らかにされたい。

二 離職後、ハローワークにて受給資格認定の申請を行った際に、心の病を理由に労働の能力を有すると認められなかった場合、その状況が三十日以上継続した場合には、受給期間を最大四年まで延長できるものとされている。しかしながら、私が相談を受けた川崎市在住者の場合、その説明がなされなかったとのことである。厚生労働省は、当該手続の周知をどのように行っているのか。また、このような事態があったことを踏まえ、今後、どのように改善するのか、政府の見解を示されたい。

三 雇用保険の傷病手当は、ハローワークに求職の申込みを行う前から傷病にかかっている場合には受給できない。健康保険の傷病手当金は同保険に係る被保険者期間が継続して一年以上あれば、離職後も継続して合計一年半の間は受給できるが、雇用保険の傷病手当は、病状が好転して求職の申込みを行わない限り、在職中に何十年も雇用保険料を納付していても受給することができない。心の病の増加に伴いこのようなケースが増えていると認識しているが、心の病を理由に雇用保険の基本手当を受給せずに、あるいは一か月以内の受給後に、傷病手当を受給しているケースについて、その件数及びすべての傷病手当の受給件数に占める比率を全国合計、都道府県労働局及びハローワーク別に把握している範囲でそれぞれ示されたい。これらを把握していない場合、サンプル調査を実施し、こうした状況を把握すべきと考えるが、野田内閣の見解を明らかにされたい。

四 心の病の増加を踏まえ、雇用保険の傷病手当の受給要件となっているハローワークへの求職申込みを一定の場合には弾力化すべきと考えるが、野田内閣の見解を明らかにされたい。

  右質問する。