質問主意書

第179回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一三号

学校給食用牛乳に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年十一月二日

古川 俊治   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   学校給食用牛乳に関する質問主意書

 現在の学校給食基準によれば、脂質の基準値は、総エネルギー摂取量の二十五~三十パーセントとされている。脂質については、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大別されるが、乳製品は飽和脂肪酸を多く含み、動脈硬化の原因となるLDLコレステロールを増やす作用があるため、摂取には注意が必要である。
 とりわけ、牛乳の提供される学校給食においては、飽和脂肪酸の在り方が重要な問題となる。生活習慣病体質は小児期から進行することが知られており、既に、肥満は子供の健康上の大きな問題となっている。生活習慣病予防や食育の観点からも、学校給食においては、少なくとも飽和脂肪酸の少ない低脂肪牛乳、あるいは無脂肪牛乳の提供が必要であると考えられることから、以下、質問する。

一 「学校給食への生活習慣病予防の概念取り入れに関する質問主意書」(第百七十四回国会質問第一四四号)に対する答弁書(内閣衆質一七四第一四四号)において、政府は、「文部科学省としては、学校給食における無脂肪・低脂肪牛乳の使用については、各学校の設置者において、学校給食全体として必要な栄養素をバランス良く確保する等の観点から適切に判断すべきものと考えている。」としている。また、平成二十二年三月十六日の参議院内閣委員会で、鈴木文部科学副大臣(当時)も、「設置者がそれぞれに適切に検討して判断されるべきものである」と答弁しており、これらによれば、各学校の設置者の判断で、無脂肪・低脂肪牛乳を給食で使用することが可能ということになる。
 そこで、無脂肪・低脂肪牛乳を使用している学校数及び学校の設置者数のそれぞれの直近の値について、政府の承知するところを示されたい。

二 「学校給食用牛乳供給対策の運用の見直しについて」(農林水産省生産局畜産部牛乳乳製品課長通知(平成十七年三月七日))によれば、「全乳形態」での供給を基本としつつ、学乳協議会等において協議を行った上、年間供給日数の一割を上限として、「国産百パーセント」の乳原料を主原料とした成分調整牛乳、加工乳、乳飲料又ははっ酵乳を供給し、これをメニュー事業の実施要件である基準日数の対象として加えることができるものとするとされている。

1 学校給食用牛乳の提供において、「全乳形態」での供給が基本とされている理由を示されたい。
2 「国産百パーセント」の乳原料を主原料とした成分調整牛乳、加工乳等の供給について、年間供給日数の一割という上限が設けられている理由を示されたい。
3 本通知によれば、学校給食において無脂肪・低脂肪牛乳を使用する場合には、学乳協議会等の協議が必要である上に、年間供給日数の一割という上限も設けられている。文部科学省は、学校の設置者において適切に判断すべきとしながら、農林水産省は、全乳形態を基本とし、無脂肪・低脂肪牛乳の使用を強く限定している。文部科学省と農林水産省の見解は矛盾すると考えるが、学校給食における無脂肪・低脂肪牛乳の使用について、政府としての見解を示されたい。

  右質問する。