質問主意書

第178回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一八号

内閣参質一七八第一八号
  平成二十三年九月二十七日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員荒井広幸君提出東京電力株式会社による補償金の支払等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員荒井広幸君提出東京電力株式会社による補償金の支払等に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」(平成二十三年八月五日原子力損害賠償紛争審査会策定。以下「中間指針」という。)において、「「避難費用」、「営業損害」、「就労不能等に伴う損害」など、継続的に発生し得る損害については、その終期をどう判断するかという困難な問題があるが・・・現時点で考え方を示すことが可能なものは示すこととし、そうでないものは今後事態の進捗を踏まえつつ必要に応じて検討する」としており、また、「精神的損害」のうち、本件事故発生から十二か月間経過後に係る部分については、「今後の本件事故の収束状況等諸般の事情を踏まえ、改めて損害額の算定方法を検討するのが妥当であると考えられる」としている。
 また、平成二十三年九月二十一日に開催された第十四回の原子力損害賠償紛争審査会では、自主避難者の避難費用等の取扱いについて議論が行われており、今後も検討が続けられるものと承知している。

二から四までについて

 東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所の事故の被害者(以下単に「被害者」という。)において、東京電力と賠償金の支払について合意した場合、その効力は、中間指針や損害額の算定の前提となる資料等を踏まえ双方が賠償すべきものとして合意した損害についてのみ及ぶものと考えている。このため、今後、賠償すべき損害の項目が中間指針に追加される等の後発的事象が生じた場合、御指摘の「上記金額の受領以降は、上記算定明細書記載の各金額及び本合意書記載の各金額について、一切の異議・追加の請求を申し立てることはありません」という記載(以下単に「記載」という。)のみをもって、追加的な賠償請求が不可能になるとは考えていない。
 しかしながら、記載は、被害者に対して、今後一切の異議・追加の請求を認めないとの誤解を与えるおそれがあることから、経済産業省においては、東京電力に対し必要な措置を講じることを要請し、東京電力においては、これを踏まえ記載の削除も含めた対応策を講じることとしたと承知している。