第178回国会(臨時会)
質問第八号 「専門二十六業務に関する疑義応答集」等に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十三年九月十五日 丸川 珠代
参議院議長 西岡 武夫 殿 「専門二十六業務に関する疑義応答集」等に関する質問主意書 厚生労働省は、ホームページに「専門二十六業務に関する疑義応答集」(以下「疑義応答集」という。)、「専門二十六業務派遣適正化プラン」等を掲載しているが、これらについては、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(以下「労働者派遣法」という。)第四十条の二第一項、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律施行令(以下「労働者派遣法施行令」という。)第四条等に照らして事業者及び労働者に深刻な混乱が生じている。そこで、次の事項について質問する。 一 労働者派遣法第四十条の二第一項第一号は「次のイ又はロに該当する業務」と規定していて、イかロの一方に該当すればよく、イとロの双方に該当しなければならないものではない。そして、同号ロには「専門的」等の表現が一切ない。また、同号イは、「その業務を遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務」と規定している訳ではない。したがって、同号の規定により労働者派遣法施行令第四条で定める業務は、専門性が必ずしも必要ではないのに、疑義応答集において「専門二十六業務」と表記している理由如何。 二 「専門二十六業務派遣適正化プラン」の記者発表資料の中に「専門性がない専門二十六業務以外の業務を行っている事案が散見されている」とある。労働者派遣法施行令第四条で定める業務は専門性が必ずしも必要ではないにもかかわらず、専門性がないことが問題であるかのような表現になっているが、このような表現をしている理由如何。 三 労働者派遣法施行令第四条第十四号は「建築物における清掃の業務」と規定しているが、疑義応答集によれば、この業務も専門二十六業務の中の一つということになっている。政府はこの業務についてどのような専門性があると認識しているのか。 四 疑義応答集は平成二十二年五月二十六日付け職発〇五二六第四号という厚生労働省職業安定局長名の通達であると承知している。労働者派遣法施行令第四条で定める業務は、憲法の規定により内閣が制定し、天皇が公布する政令によって規定されているが、政府は、政令によって規定された内容について、厚生労働省の一局長が出した通達によって実質的に変更することが可能と考えているのか。 五 労働者派遣法施行令第四条第五号は「電子計算機、タイプライター、テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作の業務」と規定しているが、これについて、疑義応答集の機器操作関係の問一では「現在の実情に沿って解釈すると、『オフィス用のコンピュータ等を用いて、ソフトウエア操作に関する専門的技術を活用して、入力・集計・グラフ化等の作業を一体として行うもの』と解されるところであり、迅速・的確な操作に習熟を要するものに限られる。」としている。ここでいう「現在の実情」とはどのような実情なのか。 六 労働者派遣法施行令第四条第五号の規定について現在の実情に沿って解釈すると、「オフィス用のコンピュータ等を用いて、ソフトウエア操作に関する専門的技術を活用して、入力・集計・グラフ化等の作業を一体として行うもの」と解されるのは、何故か。また、「迅速・的確な操作に習熟を要するものに限られる」のは何故か。 七 労働者派遣法施行令第四条第五号の規定について「オフィス用のコンピュータ等を用いて、ソフトウエア操作に関する専門的技術を活用して、入力・集計・グラフ化等の作業を一体として行うもの」と解されるとする法令上の根拠を示されたい。また、「迅速・的確な操作に習熟を要するものに限られる」とする法令上の根拠を示されたい。 八 労働者派遣法施行令第四条第五号においては「タイプライター、テレックス」が規定されているが、タイプライターやテレックスには、活用すべきソフトウエア操作に関する専門的技術や集計・グラフ化等の作業はないと思料される。そうであるとすれば、タイプライターやテレックスの操作の業務は同号に規定されているにもかかわらず、疑義応答集では一切同号の業務として行うことができないということなのか。そうであるなら、同号に規定されているタイプライターやテレックスの操作の業務が同号に含まれないとする法的な根拠を示されたい。 九 「操作」という言葉を広辞苑で引くと「取り扱い処理すること。手を使って動かすこと」となっている。したがって、日本語としては、労働者派遣法施行令第四条第五号の「電子計算機の操作の業務」とは「電子計算機を取り扱い処理すること。手を使って動かすこと」になる。そうであるなら、「ソフトウエア操作に関する専門的技術を活用しないもの」であっても、電子計算機を取り扱い処理し、手を使って動かすことに含まれる。しかるに、疑義応答集の問一で「ソフトウエア操作に関する専門的技術を活用しないもの」は「電子計算機の操作」に含まれないとするのはどのような理由によるものか。また、「入力・集計・グラフ化等の作業を一体として行わないもの」や「迅速・的確な操作に習熟を要しないもの」についても、電子計算機を取り扱い処理し、手を使って動かすことに含まれる。しかるに、疑義応答集の問一で「入力・集計・グラフ化等の作業を一体として行わないもの」や「迅速・的確な操作に習熟を要しないもの」は「電子計算機の操作」に含まれないとするのはどのような理由によるものか。 十 疑義応答集の機器操作関係の問二では「『事務用機器操作』に従事する者は、オフィス用のコンピュータ等の操作に適した専門的な技能・技術を十分に持つ者である必要がある。例えば、学校等における訓練、一定の実務経験、派遣元事業主において実施する研修等により、専門的な技能・技術を習得している者が行う場合は、『事務用機器操作』に該当するが、機器の操作を行う者が、経験等がなく機器を初めて操作する者である場合は、専門的な技能・技術を十分に持つ者とはいえないことから、『事務用機器操作』には該当しない」としているが、労働者派遣法施行令第四条第五号においては操作する者の技能や技術については何も規定されていない。したがって、操作する者の技能や技術の如何を問わず、「電子計算機、タイプライター、テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作」をしていれば、同号の業務に該当すると思料されるが、機器の操作を行う者が経験等がなく機器を初めて操作する者である場合は同号の業務には該当しないとする法的な根拠を示されたい。 十一 疑義応答集の機器操作関係の問二では「専門的な技能」という表現が用いられているが、労働者派遣法第四十条の二第一項第一号イに規定されている「専門的な知識、経験」という表現は用いられていない。法律に規定されていない表現を用い、法律に規定されている表現を用いていないのは、どのような理由によるものか。また、政府としては、疑義応答集の機器操作関係の問二の回答は、労働者派遣法第四十条の二第一項第一号イの規定と整合性が取れていると考えているのか。 十二 疑義応答集の機器操作関係の問三では「単に迅速なだけや、単純に数値や文字をキー入力するだけの業務の場合は、第五号業務には該当しない」としているが、前記九にあるように、広辞苑で引くと「操作」は「取り扱い処理すること。手を使って動かすこと」となっている。数値や文字をキー入力することは、事務用機器を取り扱い処理すること、手を使って動かすことにほかならない。また、タイプライターやテレックスは数値や文字をキー入力する以外に操作する方法はないと思料するが、政府として、「取り扱い処理すること、手を使って動かすこと」であるはずの「操作」について、「単に迅速なだけや数値や文字をキー入力することが事務用機器を操作することには含まれない」とするのは、どのような理由によるものか。 十三 労働者派遣法施行令第四条第十二号は「電子計算機、自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識、技術又は経験を必要とする機械」と規定し、また、厚生労働省のホームページに掲載されている労働者派遣事業関係業務取扱要領の二百三十五ページには、「高度の専門的な知識、技術又は経験を必要とする機械」として「ワードプロセッサー、タイプライター等の事務用機器を含む」とした上で、「当該機械は、用途に応じた的確な操作をするためには、高度の専門的知識、技術又は経験を必要とするものであ」る旨記載している。この記載からすれば、政府においては、現在においても、ワードプロセッサーやタイプライター等の数値や文字をキー入力する以外に操作する方法のない事務用機器については用途に応じた的確な操作をするために高度の専門的な知識、技術又は経験を必要とする機械と認めているのではないか。そうであるにもかかわらず、疑義応答集の機器操作関係の問三で「単に迅速なだけや、単純に数値や文字をキー入力するだけの業務の場合は、第五号業務には該当しない」としているのは、どのような理由によるものなのか。 十四 疑義応答集の機器操作関係の問四では「第五号業務に該当するか否かについては、業務の内容が専門的で、迅速・的確な操作に習熟を要するものかどうかによって判断する」としているが、労働者派遣法施行令第四条第五号にはこのような判断基準の根拠となる規定はなく、労働者派遣法第四十条の二第一項第一号にもこのような判断基準の根拠となる規定はない。そうであるにもかかわらず、このような判断基準を設けた法的な根拠は何か、具体的に示されたい。 十五 労働者派遣法施行令第四条第八号は「ファイリング」について「能率的な事務処理を図るために総合的かつ系統的な分類に従ってする文書、磁気テープ等の整理(保管を含む。)をいう」と定義した上で、「ファイリングに係る分類の作成又はファイリング」と規定しているが、これについて、疑義応答集のファイリング関係の問一では「既にある管理規程に基づき、書類の整理を機械的に行っているだけの場合や、単に文書を通し番号順に並び替え、それをファイルに綴じるだけの場合、管理者の指示により、背表紙を作成しファイルに綴じるだけの場合は、『ファイリング』に該当しない」としている。同号は「分類の作成又はファイリング」と規定しているから、「分類の作成」を行うか、あるいは「分類に従って文書等の整理」を行うか、のいずれか一方を行えばよく、「分類の作成」を行い、かつ、「その分類に従って文書等の整理」を行わなければならないとは規定していない。したがって、ファイリングに係る分類の作成をしていなくても、総合的かつ系統的な分類に従って文書、磁気テープ等の整理保管を行い、その業務が高度の専門的な知識、技術又は経験を必要とするものであるときは、同号に該当するから、「既にある管理規程に基づき、書類の整理を行っている場合」であっても、同号に該当する場合があると思料するが、如何。 十六 疑義応答集のファイリング関係の問二では「既に他の者により作成された文書管理規程がある場合であっても、既存の文書管理規程を見直しする権限のある業務であれば、既存の文書管理規程を作成した者以外の者を第八号業務として労働者派遣することは差し支えない」としているが、文書管理規程を見直しする権限があるか否かは労働者派遣法施行令第四条第八号の要件とはなっていない。そうであるにもかかわらず、文書管理規程を見直しする権限がある場合に限られるような表現としているのは、どのような理由によるものか。 十七 疑義応答集のファイリング関係の問三では「図書館において規定済みの管理規程の下に分類作業のみを行う場合は第八号業務には該当しない」としているが、労働者派遣法施行令第四条第八号の規定に照らせば、規定済みの管理規程の下に分類作業のみを行う場合であっても、総合的かつ系統的な分類に従って文書、磁気テープ等の整理保管を行う場合には、第八号業務に該当する場合があると思料する。分類作業のみを行う場合は第八号業務には該当しないとしているのは、どのような理由によるものか。 十八 労働者派遣法施行令第四条第十号は「貸借対照表、損益計算書等の財務に関する書類の作成その他財務の処理の業務」と規定しているが、これについて、疑義応答集の財務関係の問一では「迅速かつ的確な実施に習熟を要する業務に当たる場合は、第十号業務に該当する」としている。広辞苑によれば、「財務」とは「財政に関する事務」と、「処理」とは「処置をつけること。物事をさばいて始末をつけること」とあるので、同号の業務は、日本語としては「財政に関する事務について、処置をつけ、物事をさばいて始末をつける」業務ということになる。そうであるなら、「迅速かつ的確な実施に習熟を要しない業務」であっても、「財政に関する事務について、処置をつけ、物事をさばいて始末をつける」業務であれば、第十号業務に該当すると思料するが、「迅速かつ的確な実施に習熟を要する業務に当たる場合」に限って、第十号業務に該当するとする法的な根拠を示されたい。 十九 労働者派遣法施行令第四条第十二号は「電子計算機、自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識、技術又は経験を必要とする機械の性能、操作方法等に関する紹介及び説明の業務」と規定しているが、これについて、疑義応答集のデモンストレーション関係の問三では「パソコン等の商品を一般消費者に対して説明する業務は第十二号業務には該当しない」としている。つまり、一般消費者に対してパソコンを説明する業務は第十二号業務には該当しないという意味と解される。一方、厚生労働省のホームページに掲載されている労働者派遣事業関係業務取扱要領の二百三十五ページには「民生用商品について紹介及び説明を行う業務は、パーソナルコンピューター等の例外を除き通常これには含まれない」という記載がある。民生用商品とあるから、一般消費者向けの商品であり、「パーソナルコンピューターの例外を除き含まれない」とあるから、一般消費者に対してパーソナルコンピューターを説明する業務は第十二号業務には該当するという意味と解される。疑義応答集のデモンストレーション関係の問三にいう「パソコン」と労働者派遣事業関係業務取扱要領にいう「パーソナルコンピューター」は、別の物なのか。もし同じものであるとすれば、疑義応答集の「含まれない」というのと労働者派遣事業関係業務取扱要領の「含まれる」というのとどちらが、政府の見解なのか。 二十 疑義応答集のデモンストレーション関係の問三では「パソコン等の商品を一般消費者に対して説明する業務は第十二号業務には該当しない」としているが、一般消費者に対して説明する業務だけが第十二号業務には該当せず、一般消費者以外の販売業者に対して説明する業務は第十二号業務に該当するということなのか。もしそうであるなら、労働者派遣法施行令第四条第十二号には「一般消費者に対して説明する業務」を除くとは規定されていないが、このような解釈をする法的な根拠を示されたい。 二十一 疑義応答集のデモンストレーション関係の問三では「パソコン等の商品を一般消費者に対して説明する業務は第十二号業務には該当しない」としているが、パソコンを説明する業務が第十二号業務には該当しないということなのか。もしそうであるなら、労働者派遣法施行令第四条第十二号には「電子計算機」と規定されているが、電子計算機にはパソコンは含まれないということか。パソコンが電子計算機に含まれないとする法的な根拠を示されたい。 二十二 労働者派遣法施行令第四条第十一号は「外国貿易その他の対外取引に関する文書又は商品の売買その他の国内取引に係る契約書、貨物引換証、船荷証券若しくはこれらに準ずる国内取引に関する文書の作成(港湾運送事業法第二条第一項第一号に掲げる行為に附帯して行うもの及び通関業法第二条第一号に規定する通関業務として行われる同号ロに規定する通関書類の作成を除く。)の業務」と規定している。第十一号業務は「国内外の取引に関する文書の作成の業務」と解されるが、広辞苑によれば、「取引」とは「商人と商人と、または商人と顧客との売買行為。営利のためになす経済行為」と、「文書」とは「文字で人の思想をあらわしたもの。かきもの。もんじょ。ふみ」と、「作成」とは「書類などをつくりあげること」と、ある。したがって、「商人と商人と、または商人と顧客との売買行為や営利のためになす経済行為に関するかきものをつくりあげる」業務は全て第十一号業務に含まれ、「民法や商法の知識を活用するものでなければならない」、「一から契約書を作成するものでなければならない」等といった限定はないものと思料するが、如何。 二十三 疑義応答集の研究開発関係の問四では「専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務でないものを専ら行う場合は、第十七号業務には該当しない」としているが、労働者派遣法施行令第四条第十七号は「科学に関する研究又は科学に関する知識若しくは科学を応用した技術を用いて製造する新製品若しくは科学に関する知識若しくは科学を応用した技術を用いて製造する製品の新たな製造方法の開発の業務(第一号及び第二号に掲げる業務を除く。)」と規定していて、「専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務に限る」とは規定していない。「専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務を行う場合に限り、第十七号業務に該当する」とする法的な根拠を示されたい。 二十四 労働者派遣法第四十条の二第一項第一号イは「その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務」と規定していて、「その業務を遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務」と規定している訳ではない。したがって、「その業務を遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務」に該当しなくても、「その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務」に該当すれば、政令で定めることができる。しかるに、疑義応答集の研究開発関係の問四では「専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務」に限定しているが、このように限定する理由を示されたい。また、根拠となる労働者派遣法第四十条の二第一項第一号イの規定と整合性が取れていないが、このように同号イの規定と異なる記載をした理由を示されたい。 二十五 労働者派遣法施行令第四条第二十三号は「事務用機器の操作方法、電子計算機を使用することにより機能するシステムの使用方法又はプログラムの使用方法を習得させるための教授又は指導の業務」と規定しているが、これについて、疑義応答集のOAインストラクション関係の問二では「現在の実情に沿って解釈すると、オフィス用のコンピュータ等、複数のコンピュータを繋げるネットワークシステム、コンピュータにインストールされたソフトウエア、コンピュータの各種プログラム等に関する操作方法の教授又は指導を行う業務のうち、専門的な知識・技術を要するものが第二十三号業務に該当する」としている。ここでいう「現在の実情」とは、どのような実情なのか。また、労働者派遣法施行令第四条第二十三号の規定について現在の実情に沿って解釈すると、何故「オフィス用のコンピュータ等、複数のコンピュータを繋げるネットワークシステム、コンピュータにインストールされたソフトウエア、コンピュータの各種プログラム等に関する操作方法の教授又は指導を行う業務のうち、専門的な知識・技術を要するものが第二十三号業務に該当する」ことになるのか。明確な理由を示されたい。 二十六 労働者派遣法第四十条の二第一項第一号イは「その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務」と規定していて、「その業務を遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務」と規定している訳ではない。したがって、「その業務を遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務」に該当しなくても、「その業務を迅速かつ的確に遂行するために専門的な知識、技術又は経験を必要とする業務」に該当すれば、政令で定めることができる。しかるに、疑義応答集のOAインストラクション関係の問二では「専門的な知識・技術を要するもの」に限定しているが、このように限定する明確な理由を示されたい。また、根拠となる労働者派遣法第四十条の二第一項第一号イの規定と整合性が取れていないが、このように同号イの規定と異なる記載をした明確な理由を示されたい。 二十七 労働者派遣法第四十条の二第一項第一号イにおいては「経験」と規定しているが、疑義応答集のOAインストラクション関係の問二では「知識・技術」のみ記載されていて、「経験」が記載されていない。「専門的な経験」を記載しない明確な理由を示されたい。 二十八 労働者派遣法施行令第四条第二十三号は「事務用機器の操作方法」と規定しているが、疑義応答集のOAインストラクション関係の問二では「第二十三号業務は、具体的にはどのような業務か」という問に対して、「電子計算機を使用することにより機能するシステムの使用方法又はプログラムの使用方法」に関してのみ回答していて、「事務用機器」については何も触れられていない。これは、「事務用機器の操作方法の教授又は指導の業務」は第二十三号業務には含まれないということなのか。もしそうであるなら、第二十三号業務には「事務用機器の操作方法の教授又は指導の業務」が含まれないとする明確な理由を示されたい。 二十九 労働者派遣法施行令第四条第二十三号は「教授又は指導」と規定している。広辞苑によれば、「教授」とは「学術・技芸などを教え授けること、児童・生徒に知識・技能を授けること」などと、「指導」とは「ゆびさし導くこと、教え導くこと、児童・生徒を生活適応させ、望ましい発達を可能にするための教育活動」などと、ある。したがって、「事務用機器の操作方法、電子計算機を使用することにより機能するシステムの使用方法又はプログラムの使用方法について知識・技能を授け、教え導く」業務は全て第二十三号業務に含まれ、「学校等で行われる業務は含まれない」、「企業内における業務に限られる」等といった限定はないものと思料するが、如何。 三十 疑義応答集の「付随的な業務の考え方について」において「ごみ捨て、掃除、後片付け等」の記載があるが、これらが「建築物における清掃」に当たる場合には労働者派遣法施行令第四条第十四号の業務に該当し、付随的な業務ではないと思料するが、如何。 三十一 疑義応答集の「付随的な業務の考え方について」において「電話の応対」の記載があるが、これが「電話を利用して行う商品、権利若しくは役務に関する説明若しくは相談又は商品若しくは権利の売買契約若しくは役務を有償で提供する契約についての申込み、申込みの受付若しくは締結若しくはこれらの契約の申込み若しくは締結の勧誘」に当たる場合には労働者派遣法施行令第四条第二十四号の業務に該当し、付随的な業務ではないと思料するが、如何。 三十二 疑義応答集の「付随的な業務の考え方について」において「書類整理」の記載があるが、これが「能率的な事務処理を図るために総合的かつ系統的な分類に従ってする文書の整理・保管であって、高度の専門的な知識、技術又は経験を必要とするもの」に当たる場合には労働者派遣法施行令第四条第八号の業務に該当し、付随的な業務ではないと思料するが、如何。 三十三 疑義応答集の「付随的な業務の考え方について」において「銀行等への入金作業」の記載があるが、これが「財務の処理」に当たる場合には労働者派遣法施行令第四条第十号の業務に該当し、付随的な業務ではないと思料するが、如何。 三十四 これまでの質問にあるとおり、疑義応答集には数多くの欠陥がある。政府として、速やかに撤回した上で、法令に適合した内容のものを再構築すべきと思料するが、如何。 右質問する。 |