質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第一九一号

内閣参質一七七第一九一号
  平成二十三年六月十七日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員福島みずほ君提出東京電力福島第一原発三号機の安全対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員福島みずほ君提出東京電力福島第一原発三号機の安全対策に関する質問に対する答弁書

一について

 MOX燃料の組成成分の詳細については、営業秘密に関するものであるため、お示しできない。

二について

 ベルゴニュークリア社及びエフビーエフシーインターナショナル社である。

三について

 MOX燃料を使用している原子炉は、九州電力株式会社玄海原子力発電所三号炉、四国電力株式会社伊方発電所三号炉、東京電力株式会社福島第一原子力発電所三号炉及び関西電力株式会社高浜発電所三号炉である。

四について

 東京電力株式会社福島第一原子力発電所(以下「福島第一原子力発電所」という。)敷地内の土壌中において検出された核種の分析結果については、同社のホームページにおいて、分析結果が得られたものから順次公開され、経済産業省原子力安全・保安院も報告を受けている。なお、同社のホームページの中では、核分裂生成物並びにアメリシウム及びプルトニウム等の超ウラン元素に係る核種の分析結果についても公開されている。

五について

 お尋ねの「他の核燃料」の意味するところが必ずしも明かではないが、原子炉で使用されているウラン燃料から核分裂により生成される放射性物質とMOX燃料から核分裂により生成される放射性物質に大きな相違はなく、MOX燃料が破損し、放射性物質が漏出した場合における「特別な対策」を講じる必要はないと考えている。

六について

 お尋ねの「他の核燃料」の意味するところが必ずしも明かではないが、MOX燃料に使用されるプルトニウムは、ウラン燃料に使用されるウランと同様に沸点が高いため、燃料が溶融しても環境に放出されにくいものであること、ウラン燃料から核分裂により生成される放射性物質とMOX燃料から核分裂により生成される放射性物質に大きな相違はないことから、MOX燃料がウラン燃料と比較して、特段の危険性を有するものではないと考える。

七について

 お尋ねの「三号機の爆発」とは平成二十三年三月十四日に発生した福島第一原子力発電所第三号機の爆発と考えられるが、当該爆発が起きた原因については、現場確認に制約があるため確かなことは不明である。現時点においては、原子炉で燃料被覆管に含まれるジルコニウムと水蒸気が反応して発生した水素が原子炉建屋に滞留し、爆発につながった可能性があると考えている。なお、MOX燃料が融点に達して溶け出すこと自体が当該爆発に関係しているとは考えていない。

八について

 MOX燃料については、所要の安全審査及び検査を経ているため、その燃料を使用することは安全上問題がないと考えている。
 なお、六についてで述べたとおり、MOX燃料は、ウラン燃料と比較して、特段の危険性を有するものではないと考える。