質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第一八八号

内閣参質一七七第一八八号
  平成二十三年六月十七日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員藤井孝男君提出尖閣諸島周辺の領海警備に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤井孝男君提出尖閣諸島周辺の領海警備に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、国土交通大臣の管理する外局として置かれている海上保安庁では、尖閣諸島周辺海域において、御指摘の「原則」に従って違法操業を行う外国漁船に対する監視や取締りを行っているところである。

二について

 海上保安官は、違法操業の疑いがある外国漁船を確認したときは、海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)第十五条に規定する当該官吏として、漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第七十四条第一項及び第三項の規定に基づき、御指摘の「退去警告あるいは立入検査」を行い、領海外へ退去させているものである。

三について

 海上保安庁における違法操業を行う外国漁船に対する監視や取締りの方針は、海域の状況等の様々な事情を総合的に考慮して決定しているものであるが、その詳細を明らかにすることは、今後の監視・取締活動に支障を来すおそれがあることから、差し控えたい。

四及び五について

 海上保安庁としては、尖閣諸島周辺海域において、今後とも我が国の国内法令にのっとり、御指摘の「原則」に従って、適切な監視や取締りを行っていくこととしているが、昨年九月の中国漁船衝突事件において、当該漁船船長を公務執行妨害の容疑で逮捕したように、悪質な事案については、毅然とした対応をとることとしている。

六について

 海上保安庁においては、尖閣諸島周辺海域における外国漁船による違法操業等に対応するため、平素から、大型巡視船を常時配備するとともに、航空機による広域的な監視警戒を実施しており、状況に応じて、巡視船艇及び航空機の増強配備等により体制を強化し、厳正かつ適切に警備を実施している。

七について

 中国の新華通信社は、本年一月六日、千九百九十九年に中国海監総隊は十三隻の巡視船の新規建造について中国国務院の同意を得ており、それらの船舶が本年六月までに全て就役する予定のところ、その結果として、中国海監総隊所属の巡視船は四十七隻になる旨報じていると承知している。

八について

 中国政府に対し、累次にわたり、我が国の領海内での違法操業の再発防止のための中国漁船への指導、監督の徹底を申し入れてきている。

九について

 仮定の御質問にお答えすることは差し控えたいが、いずれにしても、尖閣諸島周辺海域においては、海上保安庁が関係省庁と連携しながら、状況に応じて警備体制を強化するなどにより、必要な警備を厳正かつ適切に実施することとしている。