質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第一七九号

内閣参質一七七第一七九号
  平成二十三年六月十日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員藤井基之君提出重要医薬品供給確保事業に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤井基之君提出重要医薬品供給確保事業に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの①医薬品、②製造販売業者及び③選定理由は、次のとおりである。
 (一)①乾燥ガスえそウマ抗毒素、②一般財団法人化学及血清療法研究所(以下「化血研」という。)、③対象とする感染症の予防及び治療に不可欠な医薬品であり、これがなければ国民の保健衛生の確保に重大な支障が生じるが、需要がほとんどなく、国が買い上げることとしなければ製造する事業者がいないため。
 (二)①乾燥ジフテリアウマ抗毒素、②化血研、③対象とする感染症の予防及び治療に不可欠な医薬品であり、これがなければ国民の保健衛生の確保に重大な支障が生じるが、需要がほとんどなく、国が買い上げることとしなければ製造する事業者がいないため。
 (三)①乾燥組織培養不活化狂犬病ワクチン、②化血研、③対象とする感染症の予防及び治療に不可欠な医薬品であり、これがなければ国民の保健衛生の確保に重大な支障が生じるが、需要がほとんどなく、国が買い上げることとしなければ製造する事業者がいないため。
 (四)①乾燥ボツリヌスウマ抗毒素ABEF型、②化血研、③対象とする感染症の予防及び治療に不可欠な医薬品であり、これがなければ国民の保健衛生の確保に重大な支障が生じるが、需要がほとんどなく、国が買い上げることとしなければ製造する事業者がいないため。
 (五)①乾燥ボツリヌスウマ抗毒素E型、②化血研、③対象とする感染症の予防及び治療に不可欠な医薬品であり、これがなければ国民の保健衛生の確保に重大な支障が生じるが、需要がほとんどなく、国が買い上げることとしなければ製造する事業者がいないため。
 (六)①コレラワクチン、②学校法人北里研究所(以下「北里研」という。)、③対象とする感染症の予防及び治療に不可欠な医薬品であり、これがなければ国民の保健衛生の確保に重大な支障が生じるが、需要がほとんどなく、国が買い上げることとしなければ製造する事業者がいないため。なお、治療法が確立されて必要性が低下したため、平成二十年度以降は、御指摘の重要医薬品供給確保事業の対象となっていない。
 (七)①プレパンデミックインフルエンザワクチン原液、②化血研、一般財団法人阪大微生物病研究会(以下「微研」という。)、北里研及びデンカ生研株式会社(以下「デンカ」という。)、③高病原性の新型インフルエンザの流行時において必要最小限の社会機能を維持するために必要な医師等に接種するワクチンを確保するため、国が買い上げて備蓄しておく必要があるため。
 (八)①新型インフルエンザワクチン、②化血研、微研、北里研、デンカ、Novartis Vaccines and Diagnostics AG及びグラクソ・スミスクライン株式会社、③ワクチンの需給がひっ迫する中、緊急時に大量のワクチンを短期間で混乱なく提供するため、国が買い上げる必要があるため。
 (九)①痘そうワクチン、②化血研、③テロ対策として国が備蓄しておくことが必要であるため。

二について

 お尋ねについては、関連資料の保存期限が五年であるため、平成十七年度以前の実績についてお答えすることは困難であるが、平成十八年度から平成二十二年度までの実績についてお答えすると、乾燥ガスえそウマ抗毒素については、平成十八年度は百九十一瓶を一瓶当たり十二万千三百七十八円で買い上げ、これに係る予算額は二千二百六十四万千円、平成十九年度は二百瓶を一瓶当たり十二万千三百七十八円で買い上げ、これに係る予算額は二千四百二十七万六千円、平成二十年度は八十七瓶を一瓶当たり十八万三千六十七円で買い上げ、これに係る予算額は千八百二十万七千円、平成二十一年度は百十一瓶を一瓶当たり十八万三千六十七円で買い上げ、これに係る予算額は二千三十二万円、平成二十二年度は百十二瓶を一瓶当たり十八万三千六十七円で買い上げ、これに係る予算額は二千五十万四千円となっており、乾燥ジフテリアウマ抗毒素については、平成十八年度は百瓶を一瓶当たり三万七千九百九十円で買い上げ、これに係る予算額は三百八十九万四千円、平成十九年度は百二十五瓶を一瓶当たり三万七千九百九十円で買い上げ、これに係る予算額は四百七十四万九千円、平成二十年度は百二十三瓶を一瓶当たり三万七千九百九十円で買い上げ、これに係る予算額は四百六十七万三千円、平成二十一年度は三百瓶を一瓶当たり三万七千九百九十円で買い上げ、これに係る予算額は千百三十九万七千円、平成二十二年度は三百瓶を一瓶当たり三万七千九百九十円で買い上げ、これに係る予算額は千百三十九万七千円となっており、乾燥組織培養不活化狂犬病ワクチンについては、平成十八年度は二百五十瓶を一瓶当たり四千八百九十三円で買い上げ、これに係る予算額は二百四十四万千円、平成十九年度は二百五十瓶を一瓶当たり四千八百九十三円で買い上げ、これに係る予算額は百二十二万三千円、平成二十年度は二百三瓶を一瓶当たり九千四百九十一円で買い上げ、これに係る予算額は百二十二万三千円、平成二十一年度は百九十九瓶を一瓶当たり九千四百九十一円で買い上げ、これに係る予算額は百八十八万九千円、平成二十二年度は二百瓶を一瓶当たり九千四百四十六円で買い上げ、これに係る予算額は百八十九万八千円となっており、乾燥ボツリヌスウマ抗毒素E型については、平成二十年度は八十二瓶を一瓶当たり十五万九千九百八十二円で買い上げ、これに係る予算額は九百四十二万円、平成二十一年度及び平成二十二年度はそれぞれ九十四瓶を一瓶当たり十五万九千九百八十二円で買い上げ、これに係る予算額はそれぞれ千五百三万八千円となっており、コレラワクチンについては、平成十八年度は千六百瓶を一瓶当たり千七百七十四円で買い上げ、これに係る予算額は二百十二万九千円、平成十九年度は千二百瓶を一瓶当たり千七百七十四円で買い上げ、これに係る予算額は二百十二万九千円となっており、プレパンデミックインフルエンザワクチン原液については、平成十八年度は二千三十リットルを一リットル当たり二百二十二万六千五百九十一円で買い上げ、これに係る予算額は四十五億二千万円、平成十九年度は千八百十八リットルを一リットル当たり二百六万四千三百七十四円で買い上げ、これに係る予算額は三十九億八千九百四十二万二千円、平成二十年度は七百三十一リットルを一リットル当たり八百三万八千二百三十三円で買い上げ、これに係る予算額は五十八億八千七百三十五万四千円、平成二十二年度は千百三十一・六リットルを一リットル当たり四百二万九千六百二十七円で買い上げ、これに係る予算額は百二十億円となっており、新型インフルエンザワクチンについては、平成二十一年度に一億二千八十二万四千百四十九回分を一回分当たり国産ワクチン(化血研、微研、北里研及びデンカが製造販売するものをいう。以下同じ。)については平均で約四百八十一円、外国産ワクチン(Novartis Vaccines and Diagnostics AG及びグラクソ・スミスクライン株式会社が製造販売するものをいう。以下同じ。)については平均で千百三十七円で買い上げ、これに係る予算額は千三百八十五億六千二百五十六万円となっている。痘そうワクチンについては、危機管理上の理由から、お答えを差し控えたい。

三について

 お尋ねについては、関連資料の保存期限が五年であるため、平成十七年度以前の実績についてお答えすることは困難であるが、平成十八年度から平成二十二年度までの実績についてお答えすると、乾燥ガスえそウマ抗毒素については、平成十八年度は北海道、秋田県、群馬県、千葉県、神奈川県、石川県、福井県、岐阜県、京都府、広島県、佐賀県及び熊本県に対し、計二十九瓶、一瓶当たり十二万千三百七十八円で払出しを行い、平成十九年度は北海道、福井県及び岐阜県に対し、計十瓶、一瓶当たり十二万千三百七十八円で払出しを行い、平成二十年度は埼玉県、福井県及び愛知県に対し、計八瓶、一瓶当たり十八万三千六十七円で払出しを行い、平成二十一年度は秋田県、石川県及び静岡県に対し、計五瓶、一瓶当たり十八万三千六十七円で払出しを行い、平成二十二年度は山形県、新潟県、静岡県及び福岡県に対し、計九瓶、一瓶当たり十八万三千六十七円で払出しを行っており、乾燥ジフテリアウマ抗毒素については、平成十八年度は千葉県及び福井県に対し、計三瓶、一瓶当たり三万七千九百九十円で払出しを行い、平成十九年度は北海道及び福岡県に対し、計五瓶、一瓶当たり三万七千九百九十円で払出しを行い、平成二十年度は石川県に対し、二瓶、一瓶当たり三万七千九百九十円で払出しを行い、平成二十二年度は東京都及び神奈川県に対し、計五瓶、一瓶当たり三万七千九百九十円で払出しを行っており、乾燥組織培養不活化狂犬病ワクチンについては、平成十八年度は北海道、新潟県及び京都府に対し、計二十一瓶、一瓶当たり四千八百九十三円で払出しを行い、平成十九年度は北海道、青森県、宮城県、山形県、埼玉県、新潟県及び京都府に対し、計三十四瓶、一瓶当たり四千八百九十三円で払出しを行い、平成二十年度は新潟県及び京都府に対し、計十一瓶、一瓶当たり九千四百九十一円で払出しを行い、平成二十一年度は青森県、埼玉県、新潟県及び京都府に対し、計三十五瓶、一瓶当たり九千四百九十一円で払出しを行い、平成二十二年度は新潟県及び京都府に対し、計十五瓶、一瓶当たり九千四百四十六円で払出しを行っており、乾燥ボツリヌスウマ抗毒素ABEF型については、平成十八年度は秋田県、千葉県、東京都及び福岡県に対し、計十一瓶、一瓶当たり三十五万六千三百二十七円で払出しを行い、平成十九年度は青森県、岩手県、秋田県、群馬県、埼玉県、東京都、新潟県、石川県、長野県、愛知県、京都府、愛媛県及び宮崎県に対し、計六十二瓶、一瓶当たり三十五万六千三百二十七円で払出しを行い、平成二十年度は石川県及び滋賀県に対し、計二瓶、一瓶当たり三十五万六千三百二十七円で払出しを行い、平成二十一年度は秋田県、東京都及び滋賀県に対し、計三瓶、一瓶当たり六十四万六百六十一円で払出しを行い、平成二十二年度は北海道、東京都及び神奈川県に対し、計三十三瓶、一瓶当たり六十四万六百六十一円で払出しを行っており、乾燥ボツリヌスウマ抗毒素E型については、平成十八年度は栃木県及び千葉県に対し、計四瓶、一瓶当たり九万四千百九十八円で払出しを行い、平成二十一年度は北海道、千葉県及び長野県に対し、計三十四瓶、一瓶当たり十五万九千九百八十二円で払出しを行い、平成二十二年度は千葉県及び長野県に対し、計四瓶、一瓶当たり十五万九千九百八十二円で払出しを行っており、新型インフルエンザワクチンのうち国産ワクチンについては、平成二十一年度はアステラス製薬株式会社、化血研、北里薬品産業株式会社、第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社、田辺三菱製薬株式会社及びデンカに対し、計二千三百三万三千二百四十一回分、一回分当たり九百五・五円で払出しを行い、平成二十二年度はアステラス製薬株式会社、化血研、北里薬品産業株式会社、第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社及び田辺三菱製薬株式会社に対し、計五千二百八十回分、一回分当たり平成二十二年九月三十日までは九百五・五円で、同年十月一日以降は四百九十三円で払出しを行っており、新型インフルエンザワクチンのうち外国産ワクチンについては、平成二十一年度は株式会社アステム、アルフレッサ株式会社、株式会社ケーエスケー、株式会社恒和薬品、株式会社翔薬、株式会社スズケン、東邦薬品株式会社、富田薬品株式会社、中北薬品株式会社、株式会社バイタルネット、株式会社ほくやく、株式会社メディセオ及び株式会社モロオに対し、四千百十一回分、一回分当たり九百五・五円で払出しを行い、平成二十二年度は株式会社アステム、アルフレッサ株式会社、岡野薬品株式会社、株式会社ケーエスケー、四国薬業株式会社、株式会社翔薬、株式会社スズケン、東邦薬品株式会社、富田薬品株式会社、中北薬品株式会社、鍋林株式会社、株式会社バイタルネット、株式会社ほくやく、株式会社メディセオ及び株式会社モロオに対し、六千四百三十九回分、一回分当たり平成二十二年九月三十日までは九百五・五円で、同年十月一日以降は四百九十三円で払出しを行っている。コレラワクチン、プレパンデミックインフルエンザワクチン原液及び痘そうワクチンについては、払出しを行っていない。

四について

 お尋ねについては、平成二十三年六月一日現在で、乾燥ガスえそウマ抗毒素を四百九十七人分、乾燥ジフテリアウマ抗毒素を千二十四人分、乾燥組織培養不活化狂犬病ワクチンを六十五人分、乾燥ボツリヌスウマ抗毒素ABEF型を八十四人分、乾燥ボツリヌスウマ抗毒素E型を百十八人分、プレパンデミックインフルエンザワクチン原液を約二千万人分、新型インフルエンザワクチンに係る免疫補助剤を五千三十一万二千回分備蓄している。痘そうワクチンについては、危機管理上の理由から、お答えを差し控えたい。

五について

 厚生労働省としては、発生及び流行の予測ができない感染症の予防及び治療のために必要不可欠な医薬品であるが、需要がほとんどなく、国が買い上げることとしなければ製造する事業者がいないもの等については、国民の保健衛生向上の観点から、今後とも、国が買い上げることにより必要な量を確保してまいりたい。