質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第一七七号

内閣参質一七七第一七七号
  平成二十三年六月十日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員上野通子君提出学校等における放射線量の測定方法等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員上野通子君提出学校等における放射線量の測定方法等に関する質問に対する答弁書

一について

 放射線の空間線量率の測定地点については、平成二年に科学技術庁(当時)に置かれた諮問機関である放射線審議会の測定部会が策定した「空間γ線スペクトル測定法」において、原則として地表からの高さを一メートルに設定することとしてきたところであり、政府においては、福島県内の小中学校等の校庭等の利用判断における空間線量率を測定する適切な地点として、中学校では地表から一メートルの高さに設定し、また、幼稚園や小学校等では、幼児及び児童の身長も考慮し、安全面を重視して、地表から五十センチメートルの高さに設定しているところである。

二について

 文部科学省が独立行政法人日本原子力研究開発機構の協力を得て実施している福島県内の小中学校等の校庭等における空間線量率の測定においては、校庭等の中心部及び周辺部四点の合計五点において測定するなどの方法をとっているところであり、この測定結果等を踏まえ、今後、福島県等が実施する小中学校等の空間線量率の測定においても参考となる事項を示すことについて検討してまいりたい。

三について

 政府としては、校庭等の表層土を削り取り、校庭等における放射線の空間線量率を減少させる対策により、児童生徒等が受ける放射線の線量を相当程度低減させることができると考えている。また、現在、福島県と連携し、福島県内の小中学校等の校庭等における空間線量率のモニタリングを実施するとともに、福島県内の全ての小中学校等に積算線量計を配布して、これにより、児童生徒等が実際に受ける積算線量のモニタリングを実施しているところであり、これらの状況を踏まえ、今後、必要に応じて更なる対策について検討してまいりたい。