質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第一六二号

内閣参質一七七第一六二号
  平成二十三年六月三日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員丸川珠代君提出福島第一原発一号機への海水注入作業に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員丸川珠代君提出福島第一原発一号機への海水注入作業に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「東京電力のアクシデントマニュアル」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)は、核燃料物質、核燃料物質によって汚染された物又は原子炉による災害の防止を図ることを目的として、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号)第三十七条第一項の規定に基づき、「福島第一原子力発電所原子炉施設保安規定」(以下「保安規定」という。)を定めている。保安規定においては、原子炉を緊急停止せざるを得ないような場合には、保安規定の添付文書である「原子炉がスクラムした場合の運転操作基準」(以下「運転操作基準」という。)に従って、異常の原因の除去及びその拡大防止のために必要な措置を講じることが規定されており、運転操作基準においては、原子炉水位を回復するため水位の徴候に応じて非常用炉心冷却系の再起動や代替注水系の起動を行うこと、原子炉水位が不明な時には給復水系、非常用炉心冷却系又は代替注水系を使用した注水操作を行うこと等が規定されているが、保安規定及び運転操作基準においては、これらの措置に海水を用いるか否かについては規定されていない。

二から五までについて

 保安規定及び運転操作基準においては、お尋ねの二段階の手順については規定されていない。
 また、東京電力によれば、東京電力株式会社福島第一原子力発電所第一号機の原子炉圧力容器については、平成二十三年三月十二日午後七時四分から継続して海水注入を実施しており、試験注入と本格注入に分けて実施した事実はないとのことである。