質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第一五〇号

内閣参質一七七第一五〇号
  平成二十三年五月二十日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員又市征治君提出米軍キャンプ朝霞跡地への国家公務員宿舎建設事業再開に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員又市征治君提出米軍キャンプ朝霞跡地への国家公務員宿舎建設事業再開に関する質問に対する答弁書

一について

 朝霞住宅については、宿舎の建設予定地である米軍キャンプ跡地は、その活用が長年の懸案となっており、埼玉県朝霞市における跡地利用の検討の結果、公務員宿舎の整備に併せて公園等の整備を行うこととされていること、宿舎には、主として、さいたま新都心所在の官署に勤務する独身・若手等職員を中心に入居させることとしており、宿舎建設予定地は宿舎の建設に際し適当な立地であること、宿舎の附帯施設として、朝霞市の要望を受け、朝霞市関連施設(児童館、女性センター、休日・夜間診療所)や保育施設を整備する予定であること等の事情を総合的に判断した結果、事業を再開することとしたものである。
 方南町住宅については、宿舎跡地における現地建て替えであるとともに、宿舎には、主として、本府省に勤務する独身・若手等職員を中心に入居させることとしており、宿舎の建設予定地は宿舎の建設に際し適当な立地であること、宿舎の附帯施設として、地元町会の要望を受け、防災関係施設等(防災倉庫、避難場所の公園等)を整備する予定であること等の事情を総合的に判断した結果、事業を再開することとしたものである。

二について

 御指摘の事業仕分け(以下「事業仕分け」という。)の評価結果においては、「公務員宿舎建設等に必要な経費等」について「見直しを行う」として、「公務員宿舎の在り方については、速やかに関係省庁間において検討を行い、宿舎の建替えについては、その検討を踏まえ実施することとし、それまでの間、継続案件や東京周辺以外の緊急建替えを除き凍結することとし、継続案件についても、朝霞等凍結可能なものについては凍結する」とされた。
 これを受け、朝霞住宅等の事業を凍結した上で、公務員宿舎の今後の在り方について、関係省庁からの意見聴取の下、財務省において検討を行い、「国有財産行政におけるPRE戦略について」(平成二十二年十二月八日公表。以下「PRE戦略」という。)を取りまとめ、公務員宿舎については、必要な宿舎戸数を再検証するとともに、宿舎を建設する必要がある場合には、若手等職員向けを基本とし、地域のまちづくりに貢献する等の方針を示したところである。朝霞住宅及び方南町住宅については、これを踏まえ、一についてで述べたとおり総合的に判断した結果、事業を再開することとしたものである。

三について

 朝霞住宅整備事業については、当初、「東京二十三区内に所在する国家公務員宿舎の移転・再配置と跡地利用に関する報告書」(平成十八年六月十三日国家公務員宿舎の移転・跡地利用に関する有識者会議報告)等を踏まえ、東京二十三区内外において廃止する宿舎の移転集約先として、朝霞住宅を整備することとしたものであるが、「事業仕分け」の評価結果を受けて事業を凍結した後、PRE戦略を踏まえ、一についてで述べたとおり総合的に判断した結果、主として、さいたま新都心所在の官署に勤務する独身・若手等職員を中心に入居させるための宿舎として整備することとし、事業を再開することとしたものである。また、昨年十二月二十四日に事業を再開する旨を朝霞市に連絡している。

四について

 朝霞住宅については、主として、さいたま新都心所在の官署に勤務する公務員を中心に入居させることとしている。

五について

 お尋ねの「若手等職員」とは、一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)別表第一イ行政職俸給表(一)の職務の級が六級以下の職員又はこれに準ずる職員をいう。
 また、お尋ねの「幹部用の高規格」とは、国家公務員宿舎法施行規則(昭和三十四年大蔵省令第十号)第六条第二項に定める国家公務員宿舎の規格がe規格(国家公務員宿舎のうち家屋又は家屋の部分の延べ面積が原則として八十平方メートル以上のものをいう。)のものをいう。

六について

 朝霞住宅は、主として、新規採用や転勤によりさいたま新都心所在の官署に勤務することとなった職員を中心に入居させることとしており、朝霞住宅からさいたま新都心所在の官署までの通勤時間は、四十五分程度であると見込んでいる。

七について

 政府としては、東日本大震災からの復旧・復興のため、全力を挙げていく所存である。
 なお、現下の厳しい財政事情の下、公務員宿舎の整備については、必要最小限にするとの観点から、真に整備が必要と考えられるものに限って、事業を実施することとしている。