質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第一四八号

内閣参質一七七第一四八号
  平成二十三年五月二十日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員加藤修一君提出薬物乱用防止についての普及啓発活動に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員加藤修一君提出薬物乱用防止についての普及啓発活動に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの最新のデータとしては、警察による検挙人員を集計した「平成二十二年中の薬物・銃器情勢」があるが、それによると、平成二十二年の薬物事犯の検挙人員は、一万四千五百二十九人であり、前年に比べ二・八パーセント減少しているものの、依然として高水準にある。薬物別の状況についてみると、覚醒剤事犯については、検挙人員は一万千九百九十三人であり、前年に比べ二・九パーセント増加しており、その年齢層別の検挙人員は、三十歳代及び四十歳代の年齢層が全年齢層の六十三・五パーセントを、二十歳代以下の若年層が二十一・七パーセントをそれぞれ占めている。また、大麻事犯については、検挙人員は二千二百十六人であり、前年に比べ二十四・一パーセント減少しているが、その年齢層別の検挙人員は、二十歳代以下の若年層が全年齢層の六十・九パーセントを占めている。
 このように、薬物事犯の検挙人員が依然として高水準にあり、また、若年層の占める割合が高いことは、憂慮すべき状況であると認識している。

二の1について

 厚生労働省としては、御指摘の同省における行政事業レビューの結論を踏まえ、お尋ねの「麻薬等対策推進費(広報経費)」について、平成二十三年度、北海道及び沖縄県において薬物乱用防止キャラバンカー(以下「キャラバンカー」という。)の派遣要請があった場合には、それぞれ北海道警察及び沖縄県警察が管理する薬物乱用防止広報車を紹介することとし、また、文部科学省において同様の読本を作成している中学校一年生向けの啓発読本は作成しないこととする等の見直しを行ったところである。
 また、お尋ねの「麻薬等対策推進費(広報経費)」の予算額については、平成二十三年度予算において、対前年比二千四百三十五万八千円減の一億二千三百七十万四千円を計上しているが、これは、平成二十一年度と比べると、約二十七パーセントの減少となっている。

二の2について

 お尋ねについては、キャラバンカーの運行を委託している財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センター(以下「センター」という。)が平成二十二年度に実施したキャラバンカーの利用者アンケート結果によれば、「あなたは、薬物乱用防止キャラバンカーを見学して、薬物の乱用について、どのようにおもっていますか」との問いに対し、回答者の九十八・五パーセントが「覚せい剤などの薬物は、絶対に使ってはならない」と回答し、また、「今日の、薬物乱用防止キャラバンカーの見学は勉強になりましたか」との問いに対し、回答者の八十五・九パーセントが「大変勉強になった」と回答している。

三の1について

 お尋ねについては、センターからの報告によれば、平成二十二年度、キャラバンカー八台の運行回数は、延べ千三百五十二回、利用人数は延べ十七万四千六百十一人となっている。

三の2について

 厚生労働省としては、キャラバンカーの耐久年数についての基準は設けていないが、導入年数、走行距離数、修理の実績等を踏まえ、キャラバンカーの運行に支障を来さないようにしてまいりたい。

三の3について

 センターに確認したところ、センターが平成二十三年度分として既に受け付けている巡回の申込みについては、キャラバンカーを派遣する予定であるとのことであり、御指摘のような事実はないとのことである。