質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第一〇〇号

内閣参質一七七第一〇〇号
  平成二十三年三月十一日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員山谷えり子君提出電磁波に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山谷えり子君提出電磁波に関する再質問に対する答弁書

一について

 御指摘のストックホルム市の取組については、その詳細は承知していないが、同市やスウェーデンの実情等に応じて実施されているものと考えている。
 また、政府としては、電磁波の人体に対する影響等について、世界保健機関(以下「WHO」という。)や国際非電離放射線防護委員会(以下「ICNIRP」という。)等の国際機関より示される見解等の情報収集を行うとともに、実験動物や免疫細胞を用いた調査等の研究を実施しており、これらにより得られた情報や研究成果について、各省により説明会やホームページ等を通じて情報提供を行っているところである。

二について

 御指摘の規制については、本年二月十五日から三月十六日までの間、意見公募手続を実施しているところであり、本年度内に策定する予定である。

三について

 御指摘の国々の規制値については、各国の判断により、ICNIRPが平成十年四月に発表した「時間変化する電界、磁界及び電磁界へのばく露制限のためのガイドライン(三百ギガヘルツまで)」の規制基準値より厳しいものとなっていることは承知しているが、WHOが「携帯電話とその基地局」についての正式見解を示したファクトシートのナンバー百九十三においては、同ガイドラインに関して、「熱作用、非熱作用の両方の影響に関する科学的文献を慎重に分析したものが基礎となっており、全ての確認された、RF(無線周波)エネルギーの危険性に対して防護できるようにかなり安全な値になっています」との見解が示されており、我が国としては、同ガイドラインの規制基準値と同等である現行の規制により、子どもを含む人の健康に対し、十分な安全の確保が図られるものと考えている。
 今後、調査研究等が進展し、科学的に裏付けされた根拠や新しい考え方が示され、同ガイドラインの改定が行われた場合には、規制を改める必要があると考えるが、現時点では規制を見直すことは考えていない。

四について

 英国においては、同国保健省の「携帯電話と健康」と題するリーフレットにおいて、最高医療責任者(Chief Medical Officer)が、十六歳以下の青少年の携帯電話使用に対し、重要な目的に限って携帯電話を使用すること及びあらゆる通話を短く済ませることを強く助言していることは承知しているが、お尋ねの「各国が何故、こうした規制・勧告・要請を行っている」かについては承知していない。
 また、我が国の在外公館は、御指摘の各国の「規制・勧告・要請」については把握していない。

五について

 お尋ねの訴訟の内容については、今後、携帯電話基地局に係る電波の規制に関し、必要な範囲において、情報の収集等に努めてまいりたい。