質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第六〇号

内閣参質一七七第六〇号
  平成二十三年二月十八日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員島尻安伊子君提出石垣市による尖閣諸島への上陸に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員島尻安伊子君提出石垣市による尖閣諸島への上陸に関する質問に対する答弁書

一の1について

 お尋ねについては、魚釣島等の所有者(以下単に「所有者」という。)のプライバシーを害するおそれがあることから、お答えを差し控えたい。

一の2について

 お尋ねの趣旨及び背景事情については、承知していない。

一の3から5までについて

 現在の国と所有者との間の賃貸借契約の契約書においては、国の機関を除き上陸等を認めないという所有者の意向を踏まえ、これに、尖閣諸島の長期にわたる平穏かつ安定的な維持・管理を図るため、土地賃貸借契約を締結する旨を記載するとともに、契約期間、賃借料及びその支払方法等に係る事項、所有者は所有者以外の者を魚釣島等に立ち入らせる場合はあらかじめ国の承諾を得るものとする旨等を記載しているが、賃貸借契約の解除事由については、特段記載していない。また、平成十四年の契約書もこれと同様の内容となっている。
 政府としては、このような賃貸借契約の内容を踏まえ、当該賃貸借契約の賃借人としての地位に基づき、「尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持・管理」という賃借目的に照らし、国の機関以外の者の上陸の可否について判断するものである。

一の6から9まで及び二の6から8までについて

 政府としては、魚釣島等の賃貸借契約について所有者と連絡を取る際のほか、様々な機会において、上陸等が認められる主体から地方公共団体を除外することを含め所有者の意向を確認しているところであるが、その詳細については、所有者のプライバシーを害するおそれがあることから、お答えを差し控えたい。

二の1について

 お尋ねについては、御指摘の要請の内容が地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第四百八条に基づく固定資産の実地調査に係るものも含むものであったことから、固定資産税に関する事務を所掌する総務省自治税務局固定資産税課の課長から連絡したものである。

二の2から5までについて

 政府としては、御指摘の「地方税法第四百八条に基づく固定資産税課税のための実地調査については、これまで上陸調査をせずに課税してきており、島の現況にも変化がないこと、徴税費用最小の原則、同条は強制的に立ち入って調査を行う権限を与えているものではないこと」は、立入り拒否の事由として示したものではなく、課税庁たる石垣市が魚釣島等に上陸せずに調査をし、固定資産税を課税したとしても違法ではない旨を地方税法第四百八条の解釈として示したものである。御指摘の「政府の検討結果」においては、当該解釈及び「平穏かつ安定的な維持及び管理」のためという政府の賃借目的を総合的に勘案し、賃貸借契約における賃借人としての地位に基づき、魚釣島等への上陸を認めないこととした旨を示したものである。