質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第五三号

内閣参質一七七第五三号
  平成二十三年二月十八日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員藤井基之君提出新型インフルエンザワクチンの流通等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤井基之君提出新型インフルエンザワクチンの流通等に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの新型インフルエンザワクチン(以下「ワクチン」という。)の買上げに係る国の予算額は、平成二十一年度において千三百八十五億六千二百五十六万円である。
 また、お尋ねのワクチンの買上げについては、平成二十一年十月二日に一般財団法人化学及血清療法研究所、学校法人北里研究所、デンカ生研株式会社及び一般財団法人阪大微生物病研究会(以下「国内製造販売業者四法人」という。)との間でワクチンの購入契約を締結し、合計五千三百八十八万五千回分を購入したが、個別の購入量については、これを公にすることにより、これらの競争上の地位を害するおそれがあることから、お答えを差し控えたい。さらに、同月六日にグラクソ・スミスクライン株式会社及びNovartis Vaccines and Diagnostics AGとの間で、それぞれ七千四百万回分及び二千五百万回分の購入契約を締結したが、グラクソ・スミスクライン株式会社との間では、平成二十二年三月二十九日に契約変更を行い、最終的に五千三十二万回分を購入し、また、Novartis Vaccines and Diagnostics AGとの間では、同年六月三十日に契約変更を行い、最終的に千六百六十一万九千百四十九回分を購入した。

二について

 お尋ねについては、平成二十一年十月九日から平成二十二年九月三十日までの間に順次、アステラス製薬株式会社、一般財団法人化学及血清療法研究所、北里薬品産業株式会社、第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社、田辺三菱製薬株式会社及びデンカ生研株式会社に対し、一回分当たり九百五・五円で、合計二千三百三万八千四百四十一回分の国内で生産されたワクチンの売却を行ったところであるが、個別の売却日及びその数量については、これを公にすることにより、ワクチン販売における各社の市場占有率が明らかとなり、これらの競争上の地位を害するおそれがあることから、お答えを差し控えたい。

三について

 お尋ねについては、一回分当たり九百五・五円で、一般財団法人化学及血清療法研究所が六十二万三千四百三十四回分、学校法人北里研究所が六十一万九千四百四回分、デンカ生研株式会社が三十七万七千百七十回分、一般財団法人阪大微生物病研究会が七十七万四千六十八回分を、それぞれ販売会社から買い戻したところである。

四について

 お尋ねのワクチンの保管場所については、これを公にすることにより、盗難等の危険が高まり、国のワクチン接種事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。また、当該保管に係る経費については、平成二十二年度当初予算において二億五千五百二十四万円を計上しているところである。
 国以外の在庫については、承知していない。

五について

 お尋ねについては、平成二十二年六月末時点で有効期限が切れているワクチン千六百六十一万六千五百九十九回分について、同年九月に、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号。以下「廃掃法」という。)に従い、適切に廃棄したところである。また、平成二十二年十二月末時点で有効期限が切れているワクチン九百三十五万九千三百十三回分については、平成二十二年度末までに、廃掃法に従い、全て適切に廃棄する予定である。

六について

 お尋ねについては、国内製造販売業者四法人からの報告によると、平成二十三年一月二十八日現在、約五千八百六十万回分の三価ワクチンが製造され、このうち、約五千八十万回分が医療機関に納入されているとのことである。