質問主意書

第177回国会(常会)

答弁書


答弁書第四八号

内閣参質一七七第四八号
  平成二十三年二月十五日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員山谷えり子君提出尖閣諸島への上陸及び実効支配に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山谷えり子君提出尖閣諸島への上陸及び実効支配に関する質問に対する答弁書

一について

 政府としては、尖閣諸島に関する我が国の一貫した立場に関し、国内外で正しい理解を得るべく、外務省のホームページによるものを含む対外発信を強化しているほか、様々な機会を捉え外交ルートを通じた働きかけを行っており、今後とも努力していく考えである。

二について

 固定資産税における土地の評価は、土地の地目別に行い、その地目の認定に当たっては、当該土地の現況及び利用目的に重点を置くものとされており、魚釣島、北小島、南小島及び久場島の固定資産税における地目は、現在、原野とされている。
 政府としては、原則として何人も尖閣諸島への上陸を認めないとの方針をとっていることから、土地の現況に地目の認定が変わるような変化が生じているとは考えておらず、地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第四百八条に基づく固定資産税課税のための実地調査についての石垣市からの要請に対する回答においては、「島の現況にも変化がない」との判断を示したものである。

三について

 国の機関を除き上陸等を認めないという魚釣島等の所有者の意向を踏まえ、また、尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持及び管理のためという政府の魚釣島等の貸借の目的に照らして、政府としては、原則として何人も尖閣諸島への上陸を認めないとの方針をとっているところであり、市町村の自然環境の保全に関する一般的な責務を定めた御指摘の条例を根拠として、お尋ねのような石垣市による尖閣諸島の実地調査が不可欠であるとは考えていない。

四について

 尖閣諸島の領有権に関する独自の主張を行うことを目的とした御指摘の船舶に関しては、政府としては、同船舶が出航する前の時点から一貫して、財団法人交流協会を通じて台湾側に同船舶の出航を阻止するよう申入れを行っていたが、同船舶が、我が国領海内に侵入するおそれが生じたことから、海上保安庁の巡視船艇等により警告等を実施し、これを阻止した。
 政府としては、今後とも、平素より関連情報の収集を行い、関係省庁において当該情報の共有を図るとともに、情勢に応じて警備体制を強化するなどにより、引き続き、必要な警備を厳正かつ適切に実施していくこととしている。

五について

 尖閣諸島が我が国固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、現に我が国はこれを有効に支配している。このことは、御指摘の対応を行うか否かにより変わるものではない。