質問主意書

第177回国会(常会)

質問主意書


質問第二五七号

福島県の高校新卒者に対する求職者支援制度の弾力的な運用に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年八月十二日

浜 田 昌 良   


       参議院議長 西 岡 武 夫 殿



   福島県の高校新卒者に対する求職者支援制度の弾力的な運用に関する質問主意書

 東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故に見舞われた福島県では、高校新卒者が厳しい就職環境に置かれている。本年七月八日に発表された来年三月卒業予定の高校新卒者に対する求人状況は、前年同期比で全国が九パーセントの減少であるのに対し、福島県は四十一パーセントの大幅な減少であり、福島県の復興を担う多くの人材が県外に流出してしまうことが懸念される。
 一方、本年十月から実施される求職者支援制度を具体化する「職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律」が本年五月十三日に成立したが、五月十二日の参議院厚生労働委員会における附帯決議において、「被災者が早期に生活再建ができるよう、被災者に対する就労支援など雇用対策の一層の充実・強化を図ること」とされたところである。
 この趣旨を踏まえ、就職機会に恵まれなかった福島県の未就職の高校新卒者を支援するため、求職者支援制度を弾力的に運用し、月十万円の職業訓練受講手当を支給しながら、一年間の職業訓練を実施することを内容とする求職者支援制度の「福島枠」を創設することを提案する。
 そこで以下のとおり質問する。

一 職業訓練受講手当は、本人及び同居又は生計を一にしている親、子、配偶者(以下「世帯」という。)の合計収入が月二十五万円以下であること、世帯の金融資産の合計額が三百万円以下であること等の支給要件があるが、多くの未就職の高校新卒者が、世帯の収入や金融資産により、こうした要件を満たさず、職業訓練受講手当を受給できないことが予想される。福島県の高校新卒者の置かれた厳しい就職環境を踏まえ、就労支援の一層の充実・強化を図るため、すでに緩和されている不動産所有要件だけでなく、前記の要件を例外的に撤廃すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

二 本年八月一日の参議院東日本大震災復興特別委員会において、私が一の提案をしたところ、厚生労働大臣は求職者支援制度について「弾力的に適用」しようと思っていると答弁した。また、来年春卒業予定の高校生が就職できないときには「積極的な対応」をしてまいりたいと答弁した。本年九月頃から就職活動が始まる高校卒業予定者の不安を解消するため、この「弾力的に適用」及び「積極的な対応」について、その具体的内容を早期に決定し発表すべきであると考えるが、その時期を明確に示されたい。

  右質問する。