質問主意書

第177回国会(常会)

質問主意書


質問第一九一号

東京電力福島第一原発三号機の安全対策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年六月八日

福島 みずほ   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   東京電力福島第一原発三号機の安全対策に関する質問主意書

 本年三月十一日に発生した東日本大震災による大津波を受け、東京電力福島第一原発の原子炉建屋に甚大な被害が発生してから三か月が経つが、今もってメルトダウンや放射性物質の流失などについて収束の目処が立っていない状況にある。
 その中で、東京電力福島第一原発三号機(以下単に「三号機」という。)においては、他の原子炉と違い、いわゆるMOX燃料が使用されていた。この燃料にはプルトニウムが使用されており、その人体、環境に及ぼす影響は他の核燃料と区別して考える必要があると思われるので、以下質問する。

一 MOX燃料三十二体は一九九九年九月二十七日に東京電力福島第一原発に到着し、それ以来、同発電所内に貯蔵され、昨年九月二十七日から当該MOX燃料を使用した定格出力運転を開始した。三号機で使用されていたMOX燃料の燃料製造時点での組成成分及び使用開始時の組成成分の詳細を示されたい。

二 三号機で使用されているMOX燃料を製造したメーカーはどこか、具体的に示されたい。

三 MOX燃料を使用している原子炉は、日本全国の原発のうちどこの何号機か示されたい。

四 東京電力福島第一原発の敷地内で土壌中の放射性物質の検査が行われている。これまで、プルトニウムが検出された、あるいは一・七キロメートルの地点でニオブが検出されたとの報道がある。沸点の高いニオブが検出されたことは、他の多くの核種が漏出していることを推察させる。
 東京電力が公表した敷地内で検出された核種のデータはほんの一部でしかない。敷地内で検出された核分裂生成物及びアメリシウムやプルトニウムなどの超ウラン元素を含めた全ての核種の分析データを示されたい。

五 MOX燃料から漏出した放射性物質に対応するため、他の核燃料から漏出している放射性物質とは別の対策、例えば、作業員の防護服、飛散防止のための方法、内部被曝した際の治療方法などについて、特別な方法・手段を取る必要があれば、それはどのような対策か明示されたい。また、特別な対策を取るのはどのような理由からか、説明されたい。

六 プルトニウムが含まれるMOX燃料について、他の核燃料と比較して特段の危険性はあるのか、あるとすればその理由は何か。もし、特段の危険性はないとするなら、その理由も明示されたい。

七 プルトニウムが含まれるMOX燃料はウラン燃料に比べて融点が低いが、今回の三号機の爆発に融点の低さは関係したと考えられるか。もし、関係していないとするなら、その理由も明示されたい。

八 プルトニウムが含まれるMOX燃料は、様々な研究から危険が高いとされており、直ちにMOX燃料の使用を全国の原発で中止するべきと考えるが、いかがか。

  右質問する。