質問主意書

第177回国会(常会)

質問主意書


質問第一八九号

インドネシアの排他的経済水域における中国公船の活動に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年六月八日

藤井 孝男   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   インドネシアの排他的経済水域における中国公船の活動に関する質問主意書

 昨年七月二十六日付け毎日新聞によると、昨年六月二十二日及び二十三日、インドネシア領ナトゥナ諸島のラウト島から北西五十七海里(約百五キロメートル)のインドネシアの排他的経済水域において、現場海域からの立ち退きを命じるインドネシア海軍艦船に対し、中国の白い大型漁業監視船が、「拿捕(だほ)した中国漁船を解放しなければ攻撃する」と警告するなど、中国の大型漁業監視船とインドネシア海軍艦船とが衝突寸前となった事件が起こったという。
 南シナ海で起こったこの事件は、尖閣諸島海域に出現している中国の漁業監視船への対策を考える上で重要だと思われる。よって、この新聞報道に関連して、以下のとおり質問する。

一 昨年七月二十六日付け毎日新聞によると、事件の真相について毎日新聞が中国外務省に照会したところ、秦剛副報道局長は、「中国は南沙諸島及びその付近の海域に議論の余地のない主権を有している。関係国と友好的な協議と交渉を通じて争いを適切に処理し、南シナ海地区の平和と安定を願っている」と書面で回答したという。政府は、インドネシア政府及び中国政府に対して、この報道に関する事実関係を照会したか。

二 この報道に関して把握している点があれば、事実関係を明らかにされたい。

三 今年三月、防衛省防衛研究所が刊行した「中国安全保障レポート」では「東南アジア諸国と領有権や排他的経済水域をめぐる問題を抱えている南シナ海においては、武装した中国の漁業監視船が他国の漁船を拿捕したり、他国の巡視船を威嚇したりするなどしている。」と指摘されているが、インドネシアの領海及び排他的経済水域において、インドネシアと中国の政府公船とがトラブルを起こした事件はこの十年間に何回、起こったか。政府の把握しているところを示されたい。

四 このインドネシアの事件のように、日本の海上保安庁の巡視船等が、我が国の排他的経済水域や領海で違法操業をしている外国漁船等を拿捕した際に、外国の政府公船から銃で恫喝されるといった事件が起こったことはあるか。

五 日本の海上保安庁の巡視船等が、我が国の排他的経済水域や領海で違法操業をしている外国漁船等を拿捕した際に外国の政府公船から銃で恫喝されるといった事件が起こることを想定して、対応を検討したことはあるか。

六 五で想定したことがある場合、政府は、我が国の領海あるいは排他的経済水域における、外国の政府公船による恫喝等に対して、どのような対応をとるのか。

七 昨年、沖縄の漁業関係者から「中国の漁業監視船に拿捕されるのではないか」と心配する声を聞いたが、中国の漁業監視船が、尖閣諸島周辺の領海内で、日本の漁船を拿捕する等の事態が発生した場合、政府はどのように対応するのか。

  右質問する。