質問主意書

第177回国会(常会)

質問主意書


質問第一五七号

「東京電力福島原子力発電所事故に係る原子力損害の賠償に関する政府の支援の枠組みについて」に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年五月十九日

中西 健治   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   「東京電力福島原子力発電所事故に係る原子力損害の賠償に関する政府の支援の枠組みについて」に関する質問主意書

 政府は本年五月十三日に原子力発電所事故経済被害対応チーム関係閣僚会合決定事項として「東京電力福島原子力発電所事故に係る原子力損害の賠償に関する政府の支援の枠組みについて」(以下「本枠組み」という。)を発表したが、それに関連して以下のとおり質問する。

一 これまで総理大臣や官房長官は記者会見等において「東京電力福島原子力発電所事故の責任は一義的に東京電力にある」と繰り返して発言しているが、本枠組みの策定にあたっては、当該原子力発電所事故の責任は一義的に東京電力にあるとの認識でよいか。

二 原子力災害対策本部が本年五月十七日に発表した「原子力被災者への対応に関する当面の取組方針」において、「原子力政策は、資源の乏しい我が国が国策として進めてきたものであり、今回の原子力事故による被災者の皆さんは、いわば国策による被害者です。復興までの道のりが仮に長いものであったとしても、最後の最後まで、国が前面に立ち責任を持って対応してまいります」とあり、事故の責任は一義的に国にあるとしか解すことができないが、そういう理解でよいか。

三 なぜ本枠組みと「原子力被災者への対応に関する当面の取組方針」とで事故の責任の所在が変わるのか。あるいは変わったと誤解させるような表現をしたのか。

四 「原子力被災者への対応に関する当面の取組方針」を根拠として東京電力が事故の責任の所在について争うことを想定していないのか。

五 本年五月十七日の財政金融委員会で本枠組みが金融機関の経営に与える影響について金融担当大臣の認識を質したところ、同大臣は「個別の企業に関わることのコメントは差し控える」との答弁に終始したが、政府としても本枠組みに関わる議論を国会の場で行うことは不適切であるとの見解なのか。

六 五に対する答弁と本年五月十七日の財政金融委員会における金融担当大臣の答弁とは整合性があるのか。

  右質問する。