第177回国会(常会)
質問第一二九号 教科書及び学習指導要領における「五十音図」の取扱いに関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十三年四月二十五日 山谷 えり子
参議院議長 西岡 武夫 殿 教科書及び学習指導要領における「五十音図」の取扱いに関する質問主意書 一 平成二十三年四月より使用されている小学校の各教科書において、ひらがなの「五十音図」は、「や(い)ゆ(え)よ」「わ(い)(う)(え)を」となっており、「ゐ」と「ゑ」の記載がない。政府は当該五十音図について適切な表現と考えているのか。すなわち、小学三年生・四年生で「易しい文語調の短歌や俳句」について、同五年生・六年生で「親しみやすい古文や漢文、近代以降の文語調の文章」について「音読」することが「小学校学習指導要領」において定められている中にあって、「五十音図」の取扱いに関する基準を「学習指導要領」で定めずに、「ゐ」や「ゑ」を記載するか否か等、「五十音図」の取扱いを教科書発行各社に委ねたことは適切であったと言えるのか。政府の見解を示されたい。 二 平成二十二年八月六日提出の「国歌『君が代』の歌詞の表記と所謂『五十音図』の「ゐ」と「ゑ」に関する質問主意書」(第百七十五回国会質問第三二号。以下単に「質問主意書」という。)に対し、同年八月二十日に閣議決定された「答弁書」(内閣参質一七五第三二号)を受領した。質問主意書の「二の2」では、「『学習指導要領解説』等で、「歴史的仮名遣いの『ゐ』『ゑ』については、五十音図に記載するなど、児童の学習負担に配慮しつつ仮名の体系的指導に留意すること。」などと規定することは、『学習指導要領』の趣旨に反するか否か。趣旨に反する場合は理由を示されたい。また、趣旨に反しない場合は次回の『学習指導要領』改訂時に同趣旨の規定を加えることは検討に値するか。検討に値しない場合は理由を示されたい。」と質問した。 また、質問主意書の「二の3」では、「次回の『学習指導要領』改訂時の『学習指導要領解説』に加えることが検討に値する場合、『学習指導要領』の次回改訂迄の時限的措置として、平成二十五年度にも実施が予定されるという次回の教科用図書検定の中に反映させることは可能か。不可能な場合は理由も添えて根拠法令等を示されたい。」と質問した。 この二つの質問に対して、答弁書の「二の2及び3について」では、「教科用図書の検定については、一般的に申し上げると、義務教育諸学校教科用図書検定基準(平成二十一年文部科学省告示第三十三号)において、教科用図書について、小学校学習指導要領又は中学校学習指導要領に示す内容を不足なく取り上げていることを求めているところであり、小学校学習指導要領又は中学校学習指導要領に示されていない内容を取り上げることを求めることは困難であると考える。」との答弁があった。これは、義務教育諸学校教科用図書検定基準における「文語文においては、原則として歴史的仮名遣いを用いるものとし、必要に応じて、適切な配慮をすること」との記述と矛盾していると考える。政府の見解を示されたい。 右質問する。 |