第177回国会(常会)
質問第九六号 日韓、日露外相会談に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十三年三月一日 山谷 えり子
参議院議長 西岡 武夫 殿 日韓、日露外相会談に関する質問主意書 前原外務大臣は、平成二十三年二月十一日からロシアを訪問し、ラブロフ外務大臣と日露外相会談を、また同月十六日には、外務省賓客として日本を訪問した金星煥外交通商部長官と日韓外相会談を行ったが、それぞれの会談につき、以下質問する。 一 日露外相会談が行われた後の同月十七日、ロシア外務省のルカシェビッチ報道官が記者会見で北方領土について、「日本とはどのような交渉もしない」と明言する一方、平和条約締結交渉については、領土問題に焦点を当てない形で継続する姿勢を示したと報道された。外相会談が行われた直後に、相手国がこのような表明をすることは、政府の外交調整力に不信を抱かざるを得ない。内外の諸情勢を勘案し、本年一月の施政方針演説で領土問題に触れなかったことも大きな原因である考える。ロシアは中韓両国に北方領土への企業の誘致などを呼びかけているが、政府は状況をどのように分析し、今後ロシアとどのように協議をしていくのか。また、前原大臣は、日露外相会談で、北方領土への企業誘致に関する露中韓協議の件におけるわが国の意向を具体的にどのように伝えたのか示されたい。 二 日韓外相会談では、「前原大臣から、拉致問題の重要性を改めて指摘し、金長官からは理解と協力が示された」とされる。前原大臣は、拉致問題の重要性をどのように訴えたのか。また、その中で朝鮮半島有事の際の邦人の安全確保や救出につき具体的に言及したのかを示されたい。 三 日韓外相会談では、「前原大臣から、竹島問題に関する我が国政府の立場を述べた」とされる。前原大臣が発言した内容と、その発言に対する金長官の回答を具体的に示されたい。また、二〇一〇年着工、二〇一三年完成予定で、竹島の北西一キロメートル地点に海洋科学基地の建設が計画されていること、二〇一〇年四月着工、本年末に完成予定の竹島西島における漁業者宿泊所の拡張改築工事について、前原大臣は金長官に抗議したのか。 四 日韓外相会談で、前原大臣は日本の中学の教科書検定について話をしたとされるが、具体的にどのような話をしたのか示されたい。 右質問する。 |