質問主意書

第177回国会(常会)

質問主意書


質問第九二号

晩婚化・晩産化に伴う育児休業給付の受給要件の弾力化に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年二月二十四日

浜田 昌良   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   晩婚化・晩産化に伴う育児休業給付の受給要件の弾力化に関する再質問主意書

 「晩婚化・晩産化に伴う育児休業給付の受給要件の弾力化に関する質問主意書」(第百七十七回国会質問第一九号。平成二十三年一月二十四日提出)に対する「答弁書」(内閣参質一七七第一九号。平成二十三年二月一日)において、政府は雇用保険法第六十一条の四の規定に基づき、疾病や負傷その他(出産も含む)の理由により賃金の支払を受けることができなかった日数を二年に加算した期間(その期間が四年を超えるときは、四年間)に、みなし被保険者期間が通算して十二か月以上あることを育児休業給付の受給資格の取得要件としていることを明らかにしている。
 そこで、以下質問する。

一 例えば、第一子出産前から第三子出産までの間に、労働基準法第六十五条第一項の規定に基づく産前休業の請求を行い、また、第一子と第二子で、それぞれ子どもが一歳六か月(産後休業期間を含む)を迎えるまで育児休業をとり、第一子出産と第二子出産までの間及び第二子出産と第三子出産までの間の勤務が通算十二か月未満であった場合、たとえ雇用保険法第六十一条の四の規定に基づき「みなし被保険者期間」を通算したとしても、第三子については同条の規定に基づく育児休業給付は受給できないと考えられる。これは、第一子や第二子を出産した場合と異なる取扱いをするものであって、制度的不備と考えられるが、政府としてこのような事例の場合、どのように考えるのか見解如何。

二 一の事例のように、雇用保険法第六十一条の四の規定では、第三子は育児休業給付の対象とならない。実際にこのような事例がどれくらいあるか政府として把握しているのか。把握していないのであれば、早急に把握し、制度的不備を解消していく必要があるのではないかと考えるが、政府の見解如何。

三 厚生労働省「平成二十一年度雇用均等基本調査」によると、育児休業を取得できる期間について、子が一歳六か月になるまでとしている事業所が八十五・六パーセントと大半を占める一方で、一歳六か月を超えて育児休業を取得できる事業所の割合は十四・四パーセントと一割を超え、前年度(十二・六パーセント)と比べて一・八パーセントポイント増加している。一割以上の事業所において、制度的に一年六か月を超える育児休業の取得が認められ、その割合が増加傾向にあることから、一年六か月を超える育児休業を取得する女性は多いと考える。その場合、一の事例と同様に、育児休業給付を受給するための「最長四年間のうちにみなし被保険者期間が十二か月以上」という要件を満たすことが困難になると考えられる。
 事実、先の質問主意書で例を挙げた川崎市在住の女性は、このような理由から育児休業給付を受給できなかった。
 一年六か月以上の育児休業期間を制度的に認めている事業所が多く存在するという実態に鑑みれば、雇用保険法第六十一条の四の規定は、必ずしも育児休業給付の受給を保障する規定とはなっていないと考えるが、政府の見解如何。

四 雇用の継続と子育ての両方に資する育児休業給付という良い制度があるにも関わらず、その制度の適用対象外となる事例が生ずることについて、民主党政権が掲げる子育て支援策と相反するものではないかと考えるが、政府の見解如何。

  右質問する。