第177回国会(常会)
質問第九一号 国連子どもの権利委員会に対する通報制度に関する新たな選択議定書に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十三年二月二十四日 福島 みずほ
参議院議長 西岡 武夫 殿 国連子どもの権利委員会に対する通報制度に関する新たな選択議定書に関する質問主意書 二〇一〇年三月二十六日、国連人権理事会において、国連子どもの権利委員会に対する通報制度創設のための新しい議定書策定を求める決議が採択された。本決議を踏まえ、同年八月にはステファニク作業部会議長による議定書草案が提示され、同年十二月にはジュネーブにおける作業部会において、本議長草案が審議されたところである。この議論の結果を踏まえて、修正された新たな議定書案は、本年二月十六日、国連人権理事会作業部会において採択されたところである。今後、国連総会における採択が期待される本議定書案及び団体通報制度に関する日本政府の方針について、以下質問する。 一 既設の団体通報制度に対する日本政府の評価について 1 団体通報制度については、すでに一九九五年の欧州社会憲章追加議定書および一九九〇年の子どもの権利および福利に関するアフリカ憲章にて設置されている。これら既設の団体通報制度について、日本政府はどのような評価をしているか。 2 国際労働機関(ILO)と国連教育科学文化機関(ユネスコ)との合同機関であるILO・ユネスコ教職員勧告適用合同専門家委員会(CEART)に対する申し立てについても、団体通報制度の一つと考えられる。本通報制度について、日本政府はどのような評価をしているか。 二 国連人権理事会作業部会で検討された団体通報制度に対する日本政府の姿勢について 国連子どもの権利委員会が対象とする「子ども」が被害者となる人権侵害事例に多く見られるような状況、すなわち、被害者である子ども自身が自らの被害を申告し得ない状況や、国の法的または制度的な欠陥によって明らかに不特定多数の子どもたちに影響を及ぼす恐れのある状況において、実態を知り得る国内人権団体、オンブズマン組織、NGO等の団体が子どもの権利を代弁し、同委員会に対して直接的に申し立てを行うことのできる団体通報制度は、同委員会による調査制度とは異なったメリットをもっているといえる。日本政府は、国連子どもの権利委員会に対する団体通報制度について、どのような評価を行っているか。 三 国連子どもの権利委員会の通報制度に関する新たな選択議定書に対する日本政府の姿勢について 1 国連子どもの権利委員会に対する通報制度を創設するために、本年二月十六日に国連人権理事会作業部会において採択された新たな議定書案に対して、日本政府は賛成か。賛成でなければ、その理由を示されたい。 2 本議定書案が国連総会で採択された場合、日本政府は、本選択議定書を署名及び批准するか。署名及び批准しないのであれば、その理由を示されたい。 右質問する。 |