第177回国会(常会)
質問第五九号 ブラジル及びペルーとの年金保険料二重負担解消に向けた社会保障協定に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十三年二月十日 浜田 昌良
参議院議長 西岡 武夫 殿 ブラジル及びペルーとの年金保険料二重負担解消に向けた社会保障協定に関する質問主意書 近年、日本と各国との経済交流が進み、国際的な人材交流が活発化している中、年金の二重加入等の問題がより深刻になってきている。こうした問題を解決するため、日本は十二か国との間で社会保障協定を既に締結し(平成二十三年一月現在)、三か国との間では社会保障協定に署名済みである。また、二か国との間で政府間交渉中であり、五か国との間で予備協議を行っている。 外務省によれば、今国会(第百七十七回国会)には、ブラジル及びスイスとの社会保障協定に関する承認案件がそれぞれ提出される予定となっている。「海外在留邦人数統計」(平成二十二年速報版)及び「登録外国人統計」(平成二十一年版)によると、ブラジルに在留する邦人は約六万人、在日ブラジル人は約二十七万人、スイスについては、それぞれ約八千五百人と約千百人となっている。 神奈川県在住の事業経営者からは、ブラジル人、ペルー人を雇用しているが、年金保険料について、外国人労働者本人は本国における保険料との二重負担を強いられ、我が国の事業主は保険料の事業主負担分の負担を強いられているとの声を伺った。これら二か国のうち、在留邦人が約三千人、在日ペルー人が約六万人に上るペルーとの間で社会保障協定締結に向けた動きが伝えられることはない。 そこで、以下質問する。 一 我が国が社会保障協定を締結済みの国、署名済みの国、政府間交渉中の国、予備協議を行っている国毎の在留邦人及び在日当該国人の人数をそれぞれ明らかにされたい。 二 在日ブラジル人約二十七万人のうち、現在年金保険料を二重負担している人数又はその比率を政府として把握しているのか。また、日・ブラジル社会保障協定が発効すれば、当該二重負担は完全に解消されるのか。 三 在日ペルー人約六万人について、現在年金保険料を二重負担している人数を明らかにされたい。また、政府はペルーとの間で社会保障協定の締結を検討しているのか、同国に対して社会保障協定の締結を呼びかける意向はあるのか明らかにされたい。仮に、ペルー側で社会保障協定の締結を検討していないとしても、日本側が問題提起し、調査及び実態把握などの働きかけをしていくべきであると考えるが、政府の見解如何。 右質問する。 |