質問主意書

第177回国会(常会)

質問主意書


質問第五二号

盲ろうの法的位置づけに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年二月九日

上野 通子   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   盲ろうの法的位置づけに関する質問主意書

 文部科学省の「二十一世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議」によって平成十三年に発表された「二十一世紀の特殊教育の在り方について~一人一人のニーズに応じた特別な支援の在り方について~(最終報告)」では、視覚と聴覚の重複障害を有する「盲ろう」について固有の障害と位置づけ、「盲、聾の重複障害のように特別なコミュニケーション手段が必要な場合や、健康面についての配慮を要する極めて障害が重度な重複障害の場合には、特に障害の状態に配慮しながら指導する必要がある。このため、国立特殊教育総合研究所や国立久里浜養護学校等におけるこれまでの研究の成果を踏まえ、国や教育委員会等においては、教員の専門性の向上や成果の普及、教育相談の充実を図る必要がある」と記述されている。また、日本政府が平成十九年に署名した「障害者の権利に関する条約」(障害者権利条約)でも、「盲ろう」を固有の障害と位置づけ、第二十四条第三項(c)で、「視覚障害若しくは聴覚障害又はこれらの重複障害のある者(特に児童)の教育が、その個人にとって最も適当な言語並びに意思疎通の形態及び手段で、かつ、学問的及び社会的な発達を最大にする環境において行われることを確保すること」と記述されている。これらの中では、「盲ろう」を固有の障害として認めてはいるものの、「盲、聾の重複障害」や「視覚障害若しくは聴覚障害又はこれらの重複障害」との表現に留まっている。
 現在、障害者基本法の改正が議論されているところだが、改正法案の中で「盲ろう」の表現を用い、「盲ろう」をより明瞭に固有の障害と位置づける考えはないか。政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。