質問主意書

第177回国会(常会)

質問主意書


質問第七号

裁判員制度に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十三年一月二十四日

浜田 和幸   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   裁判員制度に関する質問主意書

 平成二十一年五月に裁判員制度が導入されて以来、一年半以上が経過し、平成二十二年十一月には裁判員制度の下での初の死刑判決が横浜地方裁判所で言い渡された。
 現行の裁判員制度の下では、一般市民から選ばれた裁判員は有罪か否かの判断及び量刑判断に参加することとなっており、有罪と判断した被告人を死刑とするか否かについての判断も行うものとされている。
 先に述べた横浜地方裁判所での死刑判決にあたり、裁判長は被告人に対し控訴を勧めると説諭し、裁判員は被告人を死刑にするか否かの判断で苦しんだことを明らかにした。
 そこで以下のとおり質問する。

一 裁判員に被告人を死刑にするか否かの判断をさせることが、裁判員に対して大きな心理的負荷を与えていると考えられるところ、前記裁判長の説諭は事実上かかる心理的負荷の存在を認めたものと思料されるが、裁判員が受けた心理的負荷に対するケアとして、何らかの措置を講じる予定はあるのか。政府の見解を明らかにされたい。

二 「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」(平成十六年五月二十八日法律第六十三号)の附則第九条は、裁判員制度導入から三年を経過した時点で裁判員制度の見直しを行うことを想定している。裁判員の心理的負荷を軽減するために、地方裁判所の裁判長が被告人に対して控訴を勧めることになれば、高等裁判所に係属する事件数が裁判員制度導入に伴い増えることになる上、裁判員制度自体を没却することになりかねないが、政府は今後どのような見直しを検討するのかについて明らかにされたい。

  右質問する。