質問主意書

第176回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第二〇五号

内閣参質一七六第二〇五号
  平成二十二年十二月十四日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員小熊慎司君提出北朝鮮による韓国砲撃事件と今後の外交対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小熊慎司君提出北朝鮮による韓国砲撃事件と今後の外交対策に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「事実」を網羅的に示すことは困難であるが、例えば、北朝鮮は、平成十七年九月十九日の第四回六者会合に関する共同声明において「すべての核兵器及び既存の核計画を放棄すること、並びに、核兵器不拡散条約及びIAEA保障措置に早期に復帰することを約束」しているが、現在も核開発を続けており、核放棄に向けた具体的な行動を何らとっていないことが挙げられる。

二について

 政府としては、従来より、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的解決を図り、不幸な過去を清算し、国交正常化を追求するとの方針の下、様々な施策を講じてきているところである。なお、その成果について具体的に申し上げることは、事柄の性質上差し控えたい。

三について

 政府としては、本年十一月二十三日に発生した北朝鮮による韓国砲撃事件については、北朝鮮に対する強い非難と韓国の立場に対する支持を表明した上で、北朝鮮に対して挑発行為を直ちにやめるよう求めるとともに、韓国及び米国を始めとする関係国と緊密に連携して対応することとしている。また、情報収集に努めるとともに、不測の事態に備えて万全の体制を整えることとしている。

四について

 お尋ねの北朝鮮の情勢認識等については、政府としてお答えする立場にない。

五について

 政府としては、引き続き、国際連合安全保障理事会決議等に基づく制裁措置を着実に実施するとともに、六者会合を通じた朝鮮半島の非核化等を求めていく考えである。また、我が国の防衛及び東アジア等の地域の平和と安定のため、まずは、日米同盟を二十一世紀にふさわしい形で更に深化・発展させていく考えである。同時に、韓国及びオーストラリアとの二国間協力、日本、米国及び韓国並びに日本、米国及びオーストラリアの三か国の枠組みにおける連携、海上安全保障等の利害を共有するパートナー国との関係の強化に努めるとともに、中国及びロシアとの安定した関係の構築にも努めていく考えである。さらに、東南アジア諸国連合地域フォーラム等の地域枠組みにおける連携・協力を推進していく考えである。