質問主意書

第176回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一九四号

内閣参質一七六第一九四号
  平成二十二年十二月十四日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員又市征治君提出医薬品販売に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員又市征治君提出医薬品販売に関する質問に対する答弁書

一について

 薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)第三十六条の六第一項においては、薬局開設者又は店舗販売業者が、その薬局又は店舗において第一類医薬品を販売し、又は授与する場合には、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師をして、書面を用いて、その適正な使用のために必要な情報を提供させなければならないことが、また、同条第二項においては、薬局開設者又は店舗販売業者が、その薬局又は店舗において第二類医薬品を販売し、又は授与する場合には、医薬品の販売又は授与に従事する薬剤師又は登録販売者をして、その適正な使用のために必要な情報を提供させるよう努めなければならないことが規定されている。これらの情報提供の方法については、それぞれの場合について、薬事法施行規則(昭和三十六年厚生省令第一号)第百五十九条の十五又は第百五十九条の十六において規定されているとおりであるが、薬剤師又は登録販売者(以下「薬剤師等」という。)に情報提供を行わせることとしているのは、購入者等が医薬品を使用することの適否について判断できるよう、適切な情報提供を行うためには、購入者等の身体の状態等を把握した上でその医薬品の使用方法等について情報提供を行うとともに、購入者等がその内容を理解しているかどうかを適切に確認すること等ができるだけの能力が必要とされるからである。

二について

 お尋ねの「対面販売の原則」とは、一般用医薬品については、その副作用等による健康被害が生ずるおそれの程度に応じて、薬局、店舗又は医薬品を配置する場所において、薬剤師等が対面で販売及び情報提供を行うことを基本とするというものであり、その趣旨は、薬事法第三十六条の五、第三十六条の六等の規定から明らかであり、改めて、薬事法に規定する必要はないと考えているが、今後とも同原則の周知徹底に努めてまいりたい。

三の1について

 お尋ねの「所謂、間接的管理及び指導の下という解釈」の意味するところが明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、一般用医薬品の販売に当たっては、当該一般用医薬品の適正な使用を確保するため、対面販売の原則に則った情報提供が行われるべきであると考える。

三の2、四の1から3まで及び五について

 お尋ねについては、医薬品の購入者等、配置販売の現場又は事業所の状況等によって様々であり、一概にお答えすることは困難であるが、一般用医薬品の販売に当たっては、当該一般用医薬品の適正な使用を確保するため、対面販売の原則に則った情報提供が行われるべきであると考える。

四の4について

 厚生労働省としては、既に、都道府県等に対し、「薬事法の一部を改正する法律等の施行等について」(平成二十一年五月八日付け薬食発第〇五〇八〇〇三号厚生労働省医薬食品局長通知)を発出し、その中で、配置販売に当たっての情報提供の方法等についての留意事項を示しているところであるが、配置販売業者に対し、当該留意事項の趣旨の徹底を図るよう、都道府県等に要請してまいりたい。

六の1について

 お尋ねについては、現在、御指摘の調査の結果を取りまとめているところであり、現時点において、お答えすることは困難である。

六の2について

 厚生労働省としては、既存配置販売業者(薬事法の一部を改正する法律(平成十八年法律第六十九号。以下「改正法」という。)附則第十条に規定する既存配置販売業者をいう。以下同じ。)の配置員が、配置業務に従事する前に、御指摘の講習を修了しておくことが望ましいと考えるが、同講習を修了していない配置員を配置販売の業務に従事させるか否かについては、改正法附則第十二条において、既存配置販売業者は、保健衛生上支障を生ずるおそれがないように、配置販売の業務に関し、その配置員の資質の向上に努めなければならないこととされていることを踏まえ、既存配置販売業者において、適切に判断すべきものと考える。

六の3、七の2及び九について

 既存配置販売業者の下で配置販売に従事する配置員に対する講習等については、都道府県等に対し、「薬事法の一部を改正する法律附則第十二条に規定する既存配置販売業者の配置員の資質の向上について」(平成二十一年三月三十一日付け薬食総発第○三三一○○一号厚生労働省医薬食品局総務課長通知。以下「課長通知」という。)に基づき適切に講習等を行うよう、既存配置販売業者に対する指導を要請しており、御指摘のような専門の機関で講習等を行う必要はないものと考えるが、既存配置販売業者に対し、課長通知の趣旨の徹底を図るよう、都道府県等に要請してまいりたい。

七の1について

 各地方自治体においては、「一部の業者や一部の団体への優遇、癒着、利益供与と見做される」ことのないよう、適切に対応すべきものと考えている。

八について

 お尋ねの「薬事監視率」の意味するところが必ずしも明らかではないが、厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課が取りまとめた「薬事監視状況結果表」によると、配置販売業に係る立入検査率(配置販売業者(既存配置販売業者を含む。)のうち、医薬品の販売業等に係る薬事監視指導(以下「薬事監視指導」という。)における立入検査を受けたものの割合をいう。)は、平成二十一年度が一・一パーセントとなっており、平成二十年度の〇・九パーセントと比べ、〇・二パーセントポイント上昇している。
 また、御指摘の「薬事監視や調査を業態の別なく実施する」の意味するところが必ずしも明らかではないが、薬事監視指導の実施は、都道府県等の自治事務であり、各都道府県等において、薬事法に基づき適切に実施されるべきものと考える。