質問主意書

第176回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一九一号

内閣参質一七六第一九一号
  平成二十二年十二月十四日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員加藤修一君提出「元気な日本復活特別枠に関する評価会議」における要望ヒアリング(政策コンテスト)に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員加藤修一君提出「元気な日本復活特別枠に関する評価会議」における要望ヒアリング(政策コンテスト)に関する質問に対する答弁書

一について

 「元気な日本復活特別枠に関する評価会議」(以下「評価会議」という。)においては、その運営を実務的に支援する作業チームを置き、同作業チームにおいて、平成二十二年十月十九日から十一月二日までの間の十三日間、各府省より要望のあった百八十九事業について事前ヒアリングを行い、論点を整理したところである。その後、評価会議において、当該論点について、同年十一月十日、十二日及び十三日の三日間、公開により各府省からヒアリングを実施し、当該ヒアリングの結果及びその後の作業チームにおける十分な議論を踏まえ、同年十二月一日、当該百八十九事業について優先順位付けを行ったところであり、評価会議における評価は適切になされたものと考えている。

二について

 お尋ねの「元気な日本復活特別枠」の規模については、御指摘の「平成二十三年度予算の概算要求組替え基準について」(平成二十二年七月二十七日閣議決定。以下「組替え基準」という。)において、「一兆円を相当程度に超えるものとし、歳出の大枠である約七十一兆円の枠内で、できる限りこの特別枠の規模を大きくするため、ムダづかいの根絶や総予算の組替えに政府をあげて徹底的に取り組む」としている。
 平成二十三年度予算の概算要求の段階では、前年度予算額七十兆九千三百十九億円と平成二十三年度予算の概算要求額六十九兆六千六百九十九億円との差額一兆二千六百二十一億円をこの「特別枠」の規模とすることとしたものであるが、今後の予算編成の過程において、更にその増額が可能であるか検討してまいりたい。

三について

 文部科学省の「特別枠要望」については、文部科学大臣が自らの責任と権限において、組替え基準に基づき、千二百二十六億円の予算の縮減を図るとともに、事業を組み替えて要望を行ったものである。
 また、当該文部科学省の要望については、評価会議において、「文部科学省の要望については、要求で一旦、形式的に廃止した扱いにした上で、増額要望していること、また、その結果、金額的にも全府省要望総額の三割を占める要望となっていることから、「特別枠」の趣旨に照らして問題が大きい。したがって、文部科学省については、全般的に大幅な要望の圧縮と、要求の削減による新たな財源捻出が必要」と評価したところである。政府としては、当該評価も踏まえ、今後の予算編成過程において文部科学省の要求、要望について検討することとしている。

四について

 御指摘の文部科学省の事業については、非常に多くの意見が提出されていることは事実であるが、お尋ねの実態については承知していない。
 また、パブリックコメントで提出された意見については、評価会議において百八十九事業の優先順位付けを行うに当たっての基礎的資料としたところである。

五について

 評価会議においては、平成二十二年十一月四日に、大胆な予算の組替えを実現するという「特別枠」の本来の趣旨を十分に踏まえ、「事業内容」及び「改革の姿勢」という二つの観点から各府省から要望のあった百八十九事業について優先順位付けを行うため、「元気な日本復活特別枠要望に関する評価の基本方針」を決定し、同基本方針において御指摘の「要望評価の五原則」を定めたが、同五原則は、「事業内容」の観点からは、「政策のねらい・目的が的確でなければならない」、「元気な日本復活のために「効果」が見込まれなくてはならない」及び「政策手法の選択と集中が適切になされなくてはならない」という三原則を、「改革の姿勢」の観点からは、「予算配分を大胆に組み替えるという「特別枠」設定の趣旨に合うものでなくてはならない」及び「各府省は全体としての歳出削減努力を行っていなくてはならない」という二原則を定めたものである。評価会議においては、この五原則を重視して、総合的に、当該百八十九事業について優先順位付けを行ったところである。

六について

 「特別枠」の予算配分額については、最終的には内閣総理大臣の判断によって決めることとしているが、その際には、平成二十二年十二月一日に評価会議において行った優先順位付けの結果を踏まえ、各府省からの要求についての調整状況や平成二十二年度第一次補正予算による措置状況等も勘案しつつ、「特別枠」全体の財政事情等を総合的に勘案することとしている。