質問主意書

第176回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一七七号

内閣参質一七六第一七七号
  平成二十二年十二月十日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員加藤修一君提出冷凍機器等の冷媒であるフロン等の不適正処理の実態とフロン回収破壊法の見直しに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員加藤修一君提出冷凍機器等の冷媒であるフロン等の不適正処理の実態とフロン回収破壊法の見直しに関する質問に対する答弁書

一及び二について

 特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律(平成十三年法律第六十四号。以下「フロン類回収破壊法」という。)の対象機器である業務用のエアコンディショナー、冷蔵機器及び冷凍機器(以下「業務用エアコンディショナー等」という。)の廃棄時における冷媒用フロン類の回収率は、近年、三割程度で推移しており、これを向上させるための取組を検討することが必要であると考えている。なお、御指摘の「二〇〇七年の冷媒用フロンの出荷量」は、業務用エアコンディショナー等のみならず、家庭用及び自動車用のエアコンディショナー並びに家庭用の冷蔵機器及び冷凍機器向けに出荷されたフロン類も全て含むものである。また、これらの機器の耐用年数等は多様であることから、ある年度における冷媒用フロン類の出荷量に占めるフロン類回収破壊法に基づく破壊量の割合を単純に評価することは適当ではないと考える。

三について

 フロン類回収破壊法は、オゾン層の保護及び地球温暖化の防止に取り組むことが重要であることに鑑み、オゾン層を破壊し又は地球温暖化に深刻な影響をもたらすフロン類の大気中への排出を抑制するために制定されたものであり、その対象物質は、クロロフルオロカーボン及びハイドロクロロフルオロカーボンのうち特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(昭和六十三年法律第五十三号)第二条第一項に規定する特定物質であるもの並びに地球温暖化対策の推進に関する法律(平成十年法律第百十七号)第二条第三項第四号に掲げる物質としている。また、フロン類の主な用途は冷媒であることから、フロン類回収破壊法の対象物質の範囲については妥当なものと考えている。

四から九まで及び十二から十四までについて

 フロン類の更なる排出抑制に向けた対策強化の在り方について検討を進めるため、経済産業省においては、本年四月より産業構造審議会化学・バイオ部会地球温暖化防止対策小委員会を、環境省においては、同年七月より中央環境審議会地球環境部会フロン類等対策小委員会を、それぞれ開催しているところである。このような審議会における検討等を踏まえ、関係省で連携しつつ、現行制度の見直しを含め、必要な措置を講じてまいりたい。

十について

 フロン類の回収の必要性については、関係省庁、都道府県等から、パンフレット、ポスター、ホームページ等を通じて広く国民に周知している。特に、毎年九月をオゾン層保護対策推進月間と定めて、オゾン層保護・フロン類等対策に関する啓発活動を集中的に行っている。
 また、平成二十年度からは、経済産業省において、業務用エアコンディショナー等の冷媒用フロン類の量を二酸化炭素換算で分かりやすく表示する「フロンの見える化」への取組を関係事業者に奨励しており、これを受け、平成二十一年九月から、これらの機器の製造事業者団体が中心となって、冷媒用フロン類を二酸化炭素換算した量を新規に出荷する機器へ表示する取組を順次実施している。
 このような啓発活動を更に充実させていくことにより、フロン類回収に関する国民的関心を高めてまいりたい。

十一について

 経済産業省としては、半導体製造業の事業者団体から提出を受けた、代替フロン等三ガスの排出削減に関する自主行動計画の進捗状況に関する報告等を通じ、半導体製造業における代替フロン等三ガスの排出量、購入量、除害処理率等の実態を把握し、公表しているところである。