質問主意書

第176回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一七六号

内閣参質一七六第一七六号
  平成二十二年十二月十日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員加藤修一君提出既存自動車から電気自動車への改造の推進施策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員加藤修一君提出既存自動車から電気自動車への改造の推進施策に関する質問に対する答弁書

一及び六について

 政府としては、環境問題への対応と経済成長の実現の観点から、電気自動車(以下「EV」という。)の加速度的な普及の促進に努めている。
 具体的には、量産型のEVの購入に対する助成措置を講ずるとともに、EVに広く利用されているリチウムイオン電池等の技術開発に対する支援措置等を講じている。
 一方、既存自動車を改造したEV(以下「改造EV」という。)を含め、量産型ではないEVについての措置については、今後の市場の評価や需要の動向等を慎重に見極めて対応していくこととしている。

二及び三について

 改造EVについては、道路運送車両の保安基準(昭和二十六年運輸省令第六十七号。以下「保安基準」という。)に適合することが必要とされているが、国土交通省関東運輸局においては、その普及に当たって改造EVの安全性・信頼性を保安基準に基づき確保していくために必要な方策について、検討しているところである。その検討に当たっては、一定のメンバーによる検討会は設置していないが、自動車検査独立行政法人関東検査部、軽自動車検査協会東京主管事務所、電気自動車普及協議会等の関係者から広く意見を聴取しているところである。
 国土交通省としては、同局における検討結果、改造EVに係る事故の発生状況等を踏まえつつ、必要に応じて、関係法令の見直しを行うこととしている。

四について

 EVの安全性及び環境性能の確保を図る上で、自動車整備業界の果たす役割は重要であると認識しており、今後とも、自動車整備事業者に対する研修の充実等を図ってまいりたい。

五について

 お尋ねの「超小型EV」がどのようなものを指すのか必ずしも明らかではないが、電動の原動機付自転車として、二人乗りの場合にも安全性が確保された車両が製作されることとなった際には、その乗車人員の上限を二人とする基準の見直しについても検討が必要となると考えている。

七について

 国内クレジット制度及びオフセット・クレジット(J―VER)制度については、大企業等からの資金、技術等の提供を通じた中小企業等による温室効果ガスの排出削減の推進や、カーボン・オフセットを通じた国内の温室効果ガスの排出削減及び吸収の促進といったそれぞれの趣旨に沿って運用している。
 改造EVを含むEVを活用した二酸化炭素の排出削減事業については、現在国内クレジット制度の対象とされており、オフセット・クレジット(J―VER)制度においても、今後必要に応じて制度の対象とすることを検討してまいりたい。
 また、政府としては、いわゆるエコカー減税等において、改造EVを含め、EV等に対する税制上の優遇措置を講じている。

八について

 お尋ねの「特別枠」の意味するところが必ずしも明らかでないが、総合特区制度については、平成二十三年の通常国会への関連法案の提出を目指し、内閣官房において制度の検討を行っているところである。
 なお、「新成長戦略」(平成二十二年六月十八日閣議決定)において「国家戦略プロジェクト」の中に位置付けられている「環境未来都市」構想については、現在、基本的な考え方の具体化等を進めているところである。