質問主意書

第176回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一六九号

内閣参質一七六第一六九号
  平成二十二年十二月十日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員森まさこ君提出北朝鮮による韓国・延坪島への砲撃に対する内閣の危機管理体制に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員森まさこ君提出北朝鮮による韓国・延坪島への砲撃に対する内閣の危機管理体制に関する質問に対する答弁書

一について

 北朝鮮による韓国延坪島に対する砲撃事件(以下「砲撃事件」という。)に関する情報の入手経路等の詳細については、今後の情報収集等に支障を来すおそれがあるため、お答えすることは差し控えたい。
 砲撃事件については、本年十一月二十三日午後三時二十分に内閣総理大臣官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置し、関係省庁からの情報を集約して事態の把握に努め、同日午後四時四十五分には菅内閣総理大臣が内閣総理大臣官邸において情勢報告を受けるとともに、情報収集に全力を挙げること及び不測の事態に備えて万全の体制をとることを指示したところである。さらに、同日午後八時四十五分に内閣総理大臣が主宰する関係閣僚会合を開催し、情報分析及び今後の対応についての協議を行い、内閣総理大臣より所要の指示を行うとともに、政府の見解を取りまとめ、同会合終了後速やかに内閣官房長官から、その内容を発表したところである。また、政府としては、我が国の国民生活に直ちに影響を及ぼすような事態ではないと認識していたところであるが、関係省庁による更なる情報の収集及び分析を行った上で、同月二十四日午前十一時六分には「北朝鮮による砲撃事件対策本部」第一回会合を開催するとともに、同日午後に内閣官房副長官及び関係省庁の副大臣等を構成員とする情報連絡会議を開催したところである。
 このような一連の政府の対応は、適切なものであったと考えている。

二について

 砲撃事件の発生当初、菅内閣総理大臣、片山国務大臣、仙谷国務大臣、大畠経済産業大臣、北澤防衛大臣、岡崎国務大臣及び自見国務大臣は東京都内において、秘書官又は警護官を通じて情報を受けた。野田財務大臣、髙木文部科学大臣、細川厚生労働大臣、鹿野農林水産大臣、馬淵国務大臣、海江田国務大臣、玄葉国務大臣及び蓮舫国務大臣は東京都内において、報道を通じて情報を把握した。前原外務大臣はオーストラリア、松本国務大臣は新潟県にそれぞれ出張中であり、出張先において、秘書官を通じて情報を受けた。
 菅内閣総理大臣を始めとする関係閣僚は、第一報を受けて必要な指示を行うとともに、逐次、情勢報告を受け、内閣総理大臣官邸における関係閣僚会合に参集したところである。
 また、各閣僚は、本年十一月二十四日に開催された「北朝鮮による砲撃事件対策本部」第一回会合に参集するなど、適切に対応したところである。

三について

 国及び国民の安全に重大な影響を及ぼす様々な緊急事態に迅速かつ的確に対処することができる体制を構築することは、政府の当然の責務である。
 これらの緊急事態への対処に当たっては、政府全体として総合力を発揮することができるようにすることが重要であり、これまでも、様々な緊急事態に対処するための体制を整備するとともに、その充実にも努めてきているところである。
 いずれにせよ、政府としては、今後とも、国及び国民の安全を守るため、様々な緊急事態への対処の在り方について不断の点検を行い、危機管理体制の充実・強化に努めてまいりたい。

四について

 菅内閣総理大臣は本年十一月二十六日の閣僚懇談会において、全閣僚に対し、①同月二十七日から米韓合同軍事演習が終わる同年十二月一日までの間、閣僚は原則として在京すること、②万一緊急事態が発生し、内閣官房長官より指示があった場合、全閣僚は一時間以内に所属省庁に参集すること、及び③やむを得ず閣僚が在京できない場合は、副大臣又は大臣政務官が必ず在京することの三点を指示したところである。
 そのため、本年十一月二十八日においては、野田財務大臣は、政務のため夕方から岐阜県に、海江田国務大臣は、政務のため午後から兵庫県にいたが、いずれも当日中に帰京したところであり、それ以外の閣僚は東京都にいた。また、野田財務大臣及び海江田国務大臣が東京都を離れていた間は、それぞれ、五十嵐財務副大臣及び和田内閣府大臣政務官が東京都にいたが、それ以外の内閣官房副長官、副大臣及び大臣政務官は、必ずしも在京することは求められていなかったものである。