第176回国会(臨時会)
答弁書第一六八号 内閣参質一七六第一六八号 平成二十二年十二月十日 内閣総理大臣 菅 直人
参議院議長 西岡 武夫 殿 参議院議員森まさこ君提出尖閣諸島沖における中国漁船衝突事件に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員森まさこ君提出尖閣諸島沖における中国漁船衝突事件に関する質問に対する答弁書 一及び三について お尋ねの「那覇地方検察庁のこの判断はいかなる法的根拠をもってなされたものか」、「「趣旨を踏まえる」とはいかなる法解釈によるものか」及び「刑事訴訟法第二百四十八条の趣旨を踏まえて被疑者の釈放を行った前例」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかでないが、いずれにせよ、一般に、検察官は、勾留中の被疑者について勾留の理由又は必要性が消滅したと認めるときは、これを釈放することができるところ、被疑者の勾留は、被疑者の身柄を拘束して捜査を行うためのものであり、検察官は、捜査の結果により、公訴を提起するか否かを決するものであることから、公訴を提起するか否かを決するために考慮することができるとされている刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第二百四十八条に規定されている要素については、検察官が勾留中の被疑者を釈放するか否かを判断するに当たっても考慮することができると考えている。御指摘の事案に限らず、一般に、検察当局においては、同条に規定されている要素を考慮して勾留中の被疑者の釈放の判断を行うことはあるものと承知している。 二について 検察当局においては、御指摘の衝突事件の捜査の一環として、外務省職員から、今回の事件発生後の日中関係の状況等について事情を聴取したものと承知している。 四について お尋ねについては、個別具体的な事件における捜査機関の活動内容に関わる事柄であり、お答えを差し控える。 五及び七について お尋ねの衝突事件の処分については、検察当局において、今後の情況を踏まえて適切に判断するものと承知している。 訴訟に関する書類は、刑事訴訟法第四十七条により原則として公開が禁止されているところ、お尋ねのビデオの公開については、捜査当局において、捜査の状況及び国会からの要望を踏まえて、適切な判断がなされたものと承知している。 六について 御指摘の衝突事件の発生以後、尖閣諸島周辺海域における外国漁船の操業状況等については、海上保安庁から官邸に対して適時に報告されており、国会審議等においてお尋ねがあればお答えするとの姿勢で臨んできたところである。 八について お尋ねの「この告発」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかでないが、いずれにせよ、一般に、検察当局においては、告発がなされた場合には、これを適正に受理しているものと承知している。 |