質問主意書

第176回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一四五号

内閣参質一七六第一四五号
  平成二十二年十二月十日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員山谷えり子君提出第三次男女共同参画基本計画(案)に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山谷えり子君提出第三次男女共同参画基本計画(案)に関する質問に対する答弁書

一について

 本年十一月二十二日の男女共同参画会議において配布された「第三次男女共同参画基本計画(案)」(以下「計画案」という。)は、「第三次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方」(平成二十二年七月二十三日男女共同参画会議答申。以下「答申」という。)を踏まえ、男女共同参画社会基本法(平成十一年法律第七十八号)第十三条の規定に基づき政府が策定する男女共同参画基本計画のその時点における案として、内閣府が作成したものである。なお、御指摘の記述は、計画案において調整中の施策等があることを示すために記載したものである。

二について

 御指摘の計画案の記述は、我が国においてジェンダー予算についてどのように取り組んでいくべきか検討を行うため、今後各国の具体的な実施状況の調査研究を行う旨を述べたものであり、お尋ねの「具体的な取組、具体的な実施事例」について、現段階でお答えすることは困難である。

三について

 御指摘の記述は、現時点において、家族法制の見直しについて特定の具体的な方向性を念頭に置いたものではなく、今後、家族の在り方の多様化等に応じ、家族法制の在り方等について広く課題の検討を行う旨を述べたものである。

四について

 賃金や報酬が支払われない家事、育児、介護、ボランティア活動等の無償労働については、過小評価されているとの指摘もあることから、その担い手や時間等を把握し、目に見える形で表すこと等により、これらの活動についての理解や認識を深めることにつながるものと考えている。

五について

 お尋ねの「心をこめた料理や、心をこめた育児」については、大切なものであると認識している。

六について

 御指摘の記述は、現行の「男女共同参画基本計画」(平成十七年十二月二十七日閣議決定)と同様に、性感染症等の健康を脅かす問題についての対策の推進が重要であるとの観点から述べたものであり、引き続き、中学校学習指導要領(平成二十年文部科学省告示第二十八号)等に基づき、適切な指導が実施されるよう努めてまいりたい。

七について

 政府としては、就業継続を希望しながら出産、子育て等のために就業を中断せざるを得ない女性も多いことから、多様な生き方を尊重することを前提に、育児休業の取得など各人がそれぞれ希望する生き方において、その能力を十分に発揮できるようにすることが重要であると考えている。

八について

 政府としても、子育てを行う男女を支援することは重要であると考えており、事業主を対象としたセミナー等の実施により在宅勤務の普及促進を図るとともに、本年六月に改正された育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)の円滑な施行や職業生活と家庭生活との両立に取り組む事業主への支援により、育児休業制度や短時間勤務制度の利用促進等を図っているところである。

九について

 お尋ねの「家庭育児」による場合も含め、子どもの健やかな成長は大切であり、その支援は重要であると考えている。

十について

 御指摘の記述は、答申を踏まえ、政府が策定する第三次男女共同参画基本計画の案として、法務省の人権擁護機関において、性的指向を理由とする差別や偏見がなくなるよう、啓発冊子の配布等の各種啓発活動を実施するほか、人権相談に応ずるとともに、人権侵犯の疑いのある事案を認知した場合には、人権侵犯事件として調査を行い、事案に即した適切な措置等を講ずる旨を述べたものである。

十一について

 御指摘の計画案の記述は、「性的指向」の内容を明確にする観点から、その態様の一つとして記載したものであり、「異性愛を理由として困難な状況に置かれている場合」を具体的に想定して記載したものではない。

十二について

 御指摘の記述は、「国内法に反して中絶する自由を認めないという現行法をあえて変更する方向へ検討を進める」ことを念頭に置いたものではない。

十三について

 御指摘の記述は、答申を踏まえて記載したものであり、国内法に反して中絶する自由を認めるものではない。