質問主意書

第176回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一二五号

内閣参質一七六第一二五号
  平成二十二年十二月七日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員山本博司君提出果樹経営支援対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山本博司君提出果樹経営支援対策に関する質問に対する答弁書

一について

 果樹経営支援対策事業の平成二十三年度予算概算要求額については、本事業の利用実績を踏まえ、減額することとしたものである。
 御指摘の簡易ハウスの導入に関しては、個人所有施設であることから補助事業の対象とせず、農業改良資金融通法(昭和三十一年法律第百二号)第二条の農業改良資金等の対象としている。また、他の品目又は品種への転換に関しては、全国的に生産量の多いうんしゅうみかん及びりんごについては、需給安定を図るために早急に改植を進める必要があることから、特に定額補助の対象としている。

二について

 農林水産省においては、毎年、農作業中の死亡事故の件数を調査しており、平成二十年における農業用モノレールによる死亡事故件数は、二件となっている。

三について

 農林水産省においては、「農作業安全のための指針」(平成十四年三月二十九日付け十三生産第一〇三一二号農林水産省生産局長通知)を作成し、その中で、無人運転用に製造された農業用モノレールには絶対乗車しないこと等を定め、都道府県及び市町村を通じ農業者への指導を徹底しているところである。また、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構において、農業用モノレールに、人が乗ることが禁じられている部分には乗車しない旨記載した標識を貼付すること等を促進している。

四について

 農業用モノレールの整備は、急傾斜地において果樹農業を営む上で非常に重要であると認識しており、平成十九年度から果樹経営支援対策事業の対象としている。今後とも引き続き、生産者の要望を踏まえつつ、都道府県と協力し、事業の円滑な実施を図ってまいりたい。

五について

 果樹共済は、農業災害補償法(昭和二十二年法律第百八十五号)第八十四条第一項第四号の共済事故、すなわち、気象上の原因による災害等による果実の減収及び品質の低下等によって生じた損害について共済金を支払う制度である。本制度における共済事故については、当年の果実の収穫量等が同法第百二十条の八第四項等の基準収穫量を下回る場合に共済事故があったものと認めることとしているため、これを下回らない場合でも共済金の支払を可能とすることはできない。
 また、果樹共済の共済掛金率は、保険設計上、過去の被害率を基礎として算定することとしているため、構成員の加入数により共済掛金を割り引くことは保険収支を確保する観点から不可能である。

六について

 生食用果実の価格が低下した場合又は当該価格の低下が確実と見込まれる場合における緊急的な需給調整については、一定の数量をまとめて加工用として出荷することが効果的であるため、緊急需給調整特別対策事業において、生産者に対してではなく、果実の出荷団体に対して支援を行っている。

七について

 国産果実の消費拡大を図っていくことが重要であると考えており、果実摂取を推奨する運動を全国的な規模で展開している。特に小学生に対しては、学校給食における取組に限らず日常的な果実摂取を習慣付けるため、果実の栄養、産地等に関する知識を教える出前授業等への支援を行っている。