質問主意書

第176回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第八六号

内閣参質一七六第八六号
  平成二十二年十一月十九日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員加藤修一君提出尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件ビデオ映像の動画共有サイト等への流出及び情報管理等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員加藤修一君提出尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件ビデオ映像の動画共有サイト等への流出及び情報管理等に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの動画は、海上保安庁第十一管区海上保安本部石垣海上保安部が、那覇地方検察庁からの要請により、御指摘の事件当時に撮影した映像から捜査上必要な部分を編集し、那覇地方検察庁に提出した映像とほぼ同一の映像であった。

二について

 お尋ねの点については、まずは、徹底的な原因究明を行ってまいりたいと考えている。

三について

 お尋ねに関しては、平成二十二年十一月八日、海上保安庁から警視庁及び東京地方検察庁に対して告発状が提出されたところであり、これを踏まえ、捜査機関において所要の捜査が行われているものと承知している。

四について

 政府における情報管理に関しては、「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準」の策定等により、情報セキュリティ対策の強化等に努めているところであり、海上保安庁においても、当該統一基準に準拠して策定した「海上保安庁情報セキュリティポリシー実施手順書」等に基づき、情報管理の徹底を図っているところである。
 また、政府としては、政府における情報保全に関し、早急に実務者レベルの委員会を立ち上げ、秘密保全に関する法制の在り方及び特に機密性の高い情報を取り扱う政府機関や部署の情報保全システムにおいて必要と考えられる措置について検討し、できるだけ早く結論を得ることとしている。
 その他のお尋ねの点については、いずれも個別具体の事件の捜査に関する事柄であることから、答弁を差し控えたい。

五について

 政府としては、政府における情報保全に関し、早急に実務者レベルの委員会を立ち上げることとしており、秘密保全に関する法制の在り方と併せて、特に機密性の高い情報を取り扱う政府機関や部署の情報保全システムにおいて必要と考えられる、データの持ち出し等の制限、データを保存する際の暗号化等の措置について検討し、情報保全について万全を期してまいりたい。
 また、お尋ねの国会への報告については、捜査機関による捜査の結果も踏まえ、適切に判断したいと考えている。

六について

 お尋ねの海上保安庁巡視船に係る損害額の算定は、当該巡視船の修理後に行われる第三者機関による数週間の調査を経て行うこととなる。
 当該損害についての賠償請求については、現在までのところ行ってはいないが、関係省庁において協議しつつ、適切に対応することとしている。

七について

 海上保安庁の巡視船艇においては、レーダーや船舶自動識別装置(AIS)に加え、夜間における撮影が可能な赤外線監視装置等を活用することにより、昼夜を問わず効果的かつ継続的な船舶の監視業務が可能であり、現在、巡視船艇の整備に合わせてこれらの情報機器の拡充及び強化を進めているところである。

八について

 お尋ねについては、「政府機関の情報セキュリティ対策のための統一基準(第四版)(平成二十一年度修正)」(平成二十二年五月十一日情報セキュリティ政策会議決定)において、各府省庁が情報セキュリティの確保のために採るべき対策等の基準として、外務省の公電等も含め、「要機密情報である電磁的記録を移送する場合には、暗号化を行う必要性の有無を検討し、必要があると認めたときは、情報を暗号化すること」、「暗号化・・・のアルゴリズム及び方法を・・・定めること」等を定め、各府省庁において必要な措置を講じているところである。また、その際に使用する暗号については、総務省及び経済産業省において、「電子政府推奨暗号リスト」を作成している。
 なお、ワッセナー・アレンジメントは、通常兵器の過度の移転と蓄積を防止する国際的な枠組みであるが、この枠組みの下で、我が国は、外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)に基づき、暗号装置及び暗号装置の設計・製造用の装置等についての輸出規制を行っている。

九について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、政府としては、主体的で能動的な外交を展開していく考えである。