質問主意書

第176回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第三五号

内閣参質一七六第三五号
  平成二十二年十月二十六日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員秋野公造君提出屋久島の世界遺産の保全および軍艦島(端島)の世界遺産登録に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員秋野公造君提出屋久島の世界遺産の保全および軍艦島(端島)の世界遺産登録に関する質問に対する答弁書

一について

 屋久島におけるヤクシカ対策については、環境省において、国立公園等における大型獣との共生推進事業として、昨年度から、霧島屋久国立公園内でのヤクシカによる植生の被害の状況及びヤクシカの生息密度の把握を行っているところであり、今年度は、これに加え、年間約三百頭のヤクシカの捕獲を実施しているところである。今後、同事業の結果を踏まえ、関係者と協議しながら、自然公園法(昭和三十二年法律第百六十一号)第三十八条第一項の規定に基づき、屋久島における生態系維持回復事業計画を策定し、対策の更なる実施に努めてまいりたい。

二について

 お尋ねの倒木の取扱い等については、国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第九条の五の規定等に基づき、学識経験者、地方公共団体等の意見も踏まえつつ、検討してまいりたい。

三について

 御指摘の屋久杉土埋木については、有限で貴重な国有財産であることから、その資源量の把握に努めているところであり、今後とも、国有財産としての取扱いの透明性や公正性を確保しつつ、地域における産業の振興に寄与することとなるよう、その利活用を図ることが重要であると考えている。

四について

 屋久島の山岳部におけるし尿処理対策については、関係機関等を構成員とする屋久島山岳部利用対策協議会において、関係機関等が山岳部のトイレの新設又は改修を進めるとともに、登山者による携帯トイレの使用を促進することとされたところである。これを受けて、環境省においては、今年度、トイレを一か所新設するとともに、携帯トイレを使用するためのブースを三か所新設する予定である。

五について

 端島については、長崎市が専門家を構成員とする端島炭鉱等調査検討委員会を設置し、その文化財としての価値や保存管理の方法等につき調査・検討を行っていると聞いており、同委員会での検討結果を踏まえ、対応を検討すべきものと考えている。