質問主意書

第176回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一一号

内閣参質一七六第一一号
  平成二十二年十月十二日
内閣総理大臣 菅 直人   


       参議院議長 西岡 武夫 殿

参議院議員佐藤正久君提出無害通航権と非核三原則に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員佐藤正久君提出無害通航権と非核三原則に関する質問に対する答弁書

一について

 菅内閣としては、核弾頭搭載ミサイルを積載した艦船の我が国領海の通航は、無害通航とは認められないと考えている。

二について

 菅内閣としては、非核三原則の下で、核兵器の我が国への持込みは認めておらず、核弾頭搭載ミサイルを積載した艦船の我が国領海の通航についても、このような考えの下、同原則を堅持する方針である。

三について

 中国及びロシアが保有する原子力潜水艦のうち、核弾頭を搭載可能な弾道ミサイル等を積載し得るものの隻数については、各国において正式に公表された数字があるとは承知していない。
 なお、中国が一隻、ロシアが三十九隻保有しているとする公刊資料があると承知している。

四について

 自衛隊は常日頃より、警戒監視等を通じ我が国周辺海域における潜水艦を含む外国艦船等の行動について把握に努めているが、その具体的内容については、これを明らかにすることにより、今後の自衛隊の運用及び情報収集活動に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えを差し控えたい。
 なお、これまでに、平成十六年十一月に中国の原子力潜水艦が我が国領海内を潜没航行しているのを確認した事例、平成十四年十月に東京湾で実施された国際観艦式にロシアのディーゼル潜水艦が参加した事例及び平成十八年十月にロシアのディーゼル潜水艦が舞鶴を訪問した事例については、政府として公表している。

五について

 外交上の個別のやり取りについて明らかにすることは差し控えたいが、政府としては、一について及び二についてでお答えしたとおりの立場である。このような政府の立場については、これまで様々な場で繰り返し表明しており、中国及びロシアを含む諸外国も十分に承知していると考えている。