質問主意書

第176回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二〇八号

TPPと今後の農業政策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年十二月三日

小熊 慎司   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   TPPと今後の農業政策に関する質問主意書

 TPPと今後の農業政策について以下質問する。
 菅内閣総理大臣は、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について交渉参加に向けた協議開始の方針を指示し、「開国と農業再生を両立させ、新たな繁栄を築く大戦略のスタート」と位置付けた。この協定は、我が国の広範な産業に成長の機会を与えるものであり、適切な競争力強化方策を取れば、地方の農業にとってもチャンスになるものである。しかし、民主党内に強い反対があり、政府内部でも農林水産部門等で異論があることが報道されており、政府による交渉意欲を疑問視せざるを得ない。よって以下を質問する。

一 民主党政権になってから、我が国の農業の強みを伸ばすための農業改革事業のうちかなりが廃止され、農業の構造改革は頓挫した。しかし、TPPによる「開国」と農業再生を両立させるためには農業の競争力を高めなくてはならない。今後、国内農業の競争力強化を目指した戦略を策定する考えはあるか。

二 我が国の農業の国際競争力を強化するには、農協、全農について業務改革は必要と考えるか。また、改革をするとしたら、どの様な改革か、具体的に示されたい。

三 欧州において実施されているものとは大きく異なり、競争力を担う意欲的な農家に対するインセンティブを損なう形のものとなっている我が国の戸別所得補償制度のあり方は、TPP参加の障害となるのではないか。そうでないとするならば、その理由も具体的に示されたい。

四 TPP参加に向けて、民主党政権になってからの農業政策を変更しなければならないと考えるが、政府の見解如何。農業政策の変更が不要だとするならば、その理由を具体的に示されたい。

  右質問する。