質問主意書

第176回国会(臨時会)

質問主意書


質問第二〇一号

地方議会の機能強化のための地方自治制度の充実に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十二年十二月三日

小熊 慎司   


       参議院議長 西岡 武夫 殿



   地方議会の機能強化のための地方自治制度の充実に関する質問主意書

 日本国憲法第九十二条には、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める」とある。地方公共団体は、憲法の規定上も地方自治の本旨に基づいた組織でなければならず、また、運営もされなければならない。
 しかし、現状では、地方公共団体という言葉どおり、一団体にしかすぎず、自治財政権、自治立法権、自治行政権が確立されておらず、地方政府と言える段階には程遠い。少なくとも、多様な住民ニーズの要請に応えるためには、画一的な行政経営ではなく、地域独自の創意工夫にあふれた行政経営が望まれる。
 また、日本国憲法第九十三条には、「地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する」とあり、二元代表制の理念のもと、行政に対し、監視機能、政策提言機能の充実を図って行かなければならない。
 各地方議会では、現行の法令のもとで可能な限りの改革に取り組んでいるところであるが、それも限界があるのも現状である。
 こうした立場から、地方自治制度の充実に関して、以下のとおり質問する。

一 憲法で規定する地方自治の本旨について、菅政権ではどのような見解を持っているのか。また、自治体経営の上で、基礎的財源の確保の充実が求められているが、税源移譲など今後どのように地方財政財源を拡充していくのか基本的な考えを示されたい。

二 現行の地方自治法では時代に対応しておらず、この際、「地方政府基本法」(仮称)の制定について考える時期に来ていると思われる。制定に関しての見解とその時期について示されたい。

三 地方議会の招集権や会期の設定(地方自治法第百一条、第百二条関係)、議員定数の設定(地方自治法第九十条関係)、議会の運営ルール(地方自治法第百二十条関係。一律に会議規則で縛るのではなく、議会基本条例の制定など柔軟に対応できるようにする)など、地域の実情にあわせた議会の運営が出来るようにすべきと考えるが、見解を示されたい。

四 地方分権一括法の施行により、地方議会議員はこれまで以上に積極的な活動が求められその職務は常勤化・専業化してきているのが実態であるが、現行の地方自治法は実態と大きく乖離している。地方議会議員の活動は、議会における審議・討論にとどまらず、政策形成のための研究調査や、住民との意見交換などの活動等、広範囲にわたることから、地方議会議員の職責・職務を法令上に明確に位置づけるべきと考えるが、見解を示されたい。

  右質問する。